藍の力でウイルス不活化
2021-01-06 15:00:20

藍由来抽出物が新型コロナウイルスを不活化する効果を確認!共同研究の成果を紹介

藍由来抽出物が新型コロナウイルスを不活化



新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染対策が世界中で求められる中、奈良県立医科大学と寿スピリッツ株式会社の研究チームが、藍由来の抽出物がこのウイルスを不活化する効果を持つことを確認しました。この研究は、藍の可能性を再評価し、感染症対策に新たな道を示すものです。

研究の背景


奈良県立医科大学は、医学的な知見を産業に応用することを目指し、MBTコンソーシアムを通じてさまざまな研究を推進しています。藍由来抽出物の研究もその一環で、藍を使った新たな感染症対策の開発が期待されています。

研究の目的


本研究の主な目的は、藍由来の抽出物が新型コロナウイルスに対してどのような感染抑制作用を持つかを明らかにすることです。ウイルスの不活化は感染拡大防止に直結するため、そのメカニズムを解明することが重要です。

研究方法


研究チームは、SARS-CoV-2株を用いて、特定の藍由来の抽出物と接触させた際のウイルスの感染価を測定しました。具体的には、藍抽出物を熱水で抽出し、DIAIONカラムで精製したものと、さらに精製された藍由来ポリフェノールを使用しました。

試験は、ウイルス液と試験サンプルを特定の時間接触させ、反応を停止した後にウイルス感染価を測定するという方法で行われました。これにより、不活化の程度を定量的に評価しました。

結果


研究の結果、藍由来ポリフェノール1%および藍抽出物DIAION処理品(1%と0.1%)が新型コロナウイルスに対し、30分の接触でそれぞれ97.454%、98.181%の感染価減少率を示すことが確認されました。これにより、これらの抽出物がウイルスを不活化する効果があることが裏付けられました。

まとめ


藍由来の抽出物は、新型コロナウイルスによる接触感染を防ぐための有効な手段となる可能性があります。今後は、空気中に浮遊するウイルスへの効果や人体への影響も検証していくことが求められます。

この研究は、藍が持つ力を再認識させるものとともに、天然素材を用いた新しい感染症対策の可能性を拓く未来へとつながるでしょう。

研究に関する補足資料


  • - 検査の様子の写真
  • - 徳島県産の藍葉の写真
  • - 藍の生産農場の写真

藍由来抽出物の研究が進むことで、さらなる感染症予防につながることを期待しています。

会社情報

会社名
寿スピリッツ株式会社
住所
鳥取県米子市旗ケ崎2028番地
電話番号
0859-22-7477

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