実証試験プラント
2025-10-07 10:29:55

京都フュージョニアリング、フュージョンエネルギー実証試験プラント「UNITY-1」を公開

京都フュージョニアリングと統合試験プラント「UNITY-1」



京都フュージョニアリング株式会社は、革新的なエネルギー技術であるフュージョンエネルギーに関する重要な実証試験プラント「UNITY-1」の進捗状況を紹介する動画を公開しました。このプラントは、フュージョンエネルギーの実用化に向けた大きなステップであり、特に核融合炉からの熱を効率的に電力に変換する技術の実証が行われます。

「UNITY-1」の基本的な設計



「UNITY-1」では、強力な4テスラの磁場と1,000度を超える高温の模擬環境を再現し、核融合反応なしで核融合炉からの熱を利用し発電するプロセスを目指しています。動画では、液体金属を使った熱交換技術や、水素同位体のトリチウムを回収する新技術「VST(Vacuum Sieve Tray)」について詳しく説明されており、実証試験に期待が寄せられています。

フュージョンブランケット・熱サイクルシステム



このプラントでは、フュージョンエネルギーシステムの中核を成す「フュージョンブランケット・熱サイクルシステム」の開発が進行中です。このシステムは、核融合反応から生じる中性子エネルギーをブランケットという構造物で受け止め、最大で1,000℃の熱を取り出すことができます。この熱エネルギーは、液体金属によって輸送され、発電や水素製造に活用されます。

未来に向けた技術の開発



「UNITY-1」の開発は、2024年から京都で本格的に始まりました。プラントは、高温の熱を効果的に利用するため、液体金属冷却材のリチウム鉛(LiPb)を採用しています。
リチウム鉛は、高い熱伝導性と化学的安定性を持ち、トリチウムの増殖機能も備えています。

更に、フュージョンエネルギーの実現には、燃料の回収、分離、循環を行う「フュージョン燃料サイクルシステム」も必要不可欠です。この分野においては、カナダ原子力研究所との連携で進められている「UNITY-2」プロジェクトがあり、未来のエネルギー社会に向けた技術革新が期待されています。

実証試験の進捗



現在、「UNITY-1」は、液体金属を用いた熱輸送技術の実証に向けて、試験と建設が同時に進められています。これまでに、500℃までの熱輸送試験が実施されており、目標通りに液体金属が流動するかの確認も行われています。今後は、熱交換器や発電用タービンの設置を経て、最終的な発電技術の実証に取り組む予定です。

まとめ



京都フュージョニアリングによる「UNITY-1」プロジェクトは、フュージョンエネルギーの実用化に向けた重要な一歩です。これからの進展が非常に楽しみです。世界中が注目するこの技術が、どのように進化していくのか期待が高まるところです。


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会社情報

会社名
京都フュージョニアリング株式会社
住所
東京都大田区平和島六丁目1番1号東京流通センター 物流ビルA棟 AW1-S
電話番号
03-4530-3706

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