株式会社テンクー、タイでのがん診断に向けAI活用の覚書を締結

株式会社テンクー、タイでのがん診断に向けた新たな一歩

2025年3月6日、タイ・バンコクで株式会社テンクーが、タイ保健省、およびマヒドン大学などの医療機関と共同でがんゲノム医療を促進するための覚書（MOU）を締結しました。このプロジェクトは、AIを駆使したがん遺伝子変異解析プラットフォームの開発に焦点を当て、タイの「Genomics Thailandプロジェクト」のデータを活用します。これにより、より精度の高いがん診断と治療法の選択が可能になることが期待されています。

プロジェクトの概要

今回のプロジェクトでは、ゲノム解析を通じてがん診断の精度を高めるため、AIによるデータ解析手法を導入します。これにより、医療従事者と患者がより良い判断を下せるようにサポートすることを目指しています。特に、タイの医療環境に特化したアプローチで、個別化医療の推進に寄与する設定となります。

テンクーは、これまで日本国内でのがんゲノム医療において、医療機関向けに「Chrovis」というサービスを提供してきました。その技術を基に、今後はタイ市場での個別化医療にも貢献できるよう努めていくとしています。

官民連携による力強いサポート

本プロジェクトはタイでのがん医療に対する官民の協力事業として進行します。具体的には、タイ国家科学研究イノベーション（TSRI）の支援を受け、国立科学研究・イノベーション基金（NSRF）の資金を活用。これにより、先進的ながんゲノム医療の研究と技術開発が促進され、長期的な社会経済の発展につなげていく意図があります。

日本のテクノロジーを活かしたがん医療

テンクーの代表取締役社長、西村邦裕氏は、「今回の協定を通じて、タイのがん患者や医療従事者に対してもAI技術を通じた支援を行えることを嬉しく思います。Chrovisの知見を活かし、タイにおいてもより精密医療が広まることを期待しています」とコメントしました。

本プロジェクトでは特に、タイで発症例の多い乳がんや卵巣がん、大腸がんの遺伝子解析に注力され、学生向けの教育プログラムの提供や、地域医療機関とのネットワークも構築される予定です。