商船三井CVC、ザブーン社への出資を発表
商船三井のコーポレートベンチャーキャピタルであるMOL PLUSは、船舶管理プラットフォームを展開している株式会社ザブーンへの出資を決定したことを発表しました。この出資は海事産業が抱える多くの課題に対し、デジタル技術を駆使して解決策を提供することを目指しています。
ザブーン社の基本情報
ザブーン社は2018年に設立され、東京都中央区に本社を構えています。代表の戸高克也氏が率いる同社は、特に内航業界の船員不足や業務の煩雑化といった問題に取り組んでいます。これらの課題に応えるために開発された「MARITIME 7」というクラウドサービスを提供しており、海事産業に特化した機能を備えています。
MARITIME 7の特長
1. 船員労務管理
従来の紙ベースの申請から脱却し、船員の労働時間や休憩時間を簡単に管理できるシステムを導入しています。この仕組みは改訂された船員法に基づいており、企業の日常業務の効率化が期待されます。
2. 運航管理
運航に不可欠なAISデータを可視化し、運航履歴データの蓄積や計画策定を一元的に管理できるようにしています。この機能により、運航業務全体がスムーズに行われることが期待できます。
3. 船用品受発注管理
船舶の備品を在庫管理から発注、納品まで一括で管理することで、従来の紙やExcelでの管理を簡略化しています。これにより、業界特有のトラブルを減少させ、業務への負担を軽減します。
4. レポート管理
船から収集されたさまざまな情報をデジタル化し、一元管理することが可能です。情報はダッシュボードに可視化され、関係者が必要なデータにすぐにアクセスできる形になります。この新しいシステムにより業務の効率が大幅に改善されることが期待されています。
さらに、アプリ化も進んでおり、Wi-Fiのない船舶や通信環境が悪い海域でもオフラインで利用できる機能が整っています。これによって、より多くの船がこのプラットフォームを活用できるようになります。
今後の展望
MOL PLUSは、ザブーンのMARITIME 7が海事産業の船員不足の緩和や運航管理業務の効率化に寄与することを考え、今回の出資を行いました。すでに商船三井グループ内でも複数の会社がこのプラットフォームを導入しており、高い評価を得ています。
今後は、商船三井グループとザブーンのステークホルダーが協力し、新機能の共同開発や、内航船以外の新市場への展開を進めていく予定です。
まとめ
MOL PLUSは、今後もスタートアップ企業への投資を推進し、革新的なアイデアや技術を活かしながら、商船三井グループのリソースと相乗効果を生み出していくことを目指しています。海運業界へ新たな価値をもたらすことが期待されるこの取り組みは、今後の動向から目が離せません。