電池リサイクルの未来を語る藤田誠人氏、ドイツで登壇へ
アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社(ADL)のプリンシパル、藤田誠人氏が、2025年6月23日から26日にかけてドイツ・マインツで開催される車載用電池に関する国際カンファレンス「AABC Europe 2025」に登壇します。藤田氏は、「電池リサイクル」セッションにおいて「欧州におけるクローズドループの課題と機会」というテーマで講演を行い、リサイクルに関する最新の知見を提供します。
クローズドループの電池リサイクル
近年、電気自動車(EV)の需要が高まる中で、持続可能な電池材料の確保は自動車メーカーにとって喫緊の課題となっています。特に、リサイクルによる電池材料の供給は、今後ますます重要性を増すと予想されております。このカンファレンスでは、電池リサイクルのバリューチェーンに関わる様々な専門家が集まり、リサイクルに対する市場のニーズや先進技術の共有に努めます。
電池リサイクルセッションの内容
藤田氏が発表するセッションの内容は、主に3つの課題にフォーカスされています。1つ目は、「ブラックマスのアジアへの流出」です。これは電池リサイクルで得られた材料がアジアに輸出され、欧州内でのリサイクルが進まないという問題です。2つ目は、リサイクル事業を成り立たせるための十分な規模の確保が難しい「経済性の課題」です。そして3つ目は、前駆体カソード活物質(pCAM)を生産するための工場が不足している現状です。
このような課題を乗り越えることで、欧州内でのクローズドループのサプライチェーンを構築するためのビジネスチャンスが広がると藤田氏は考えています。発表後のQ&Aセッションでは、聴衆からの質問を受け付け、具体的な解決策や意見を交わす機会も設けられています。
カンファレンスの詳細
「AABC Europe 2025」は、以下のような内容で開催されます。選りすぐりの専門家によるセッションや、業界の最新トレンドに関するディスカッションを通じて、参加者は貴重な知見を得ることができるでしょう。
開催日: 2025年6月23日(月)〜26日(木)
開催場所: Mainz Congress, Rheingold Hall(ドイツ・マインツ)
参加費: 全参加 2,699ユーロ(民間)、1,299ユーロ(アカデミア・政府)
部分参加 2,299ユーロ(民間)、1,099ユーロ(アカデミア・政府)
詳細情報は公式サイトで確認できます:
AABC Europe 2025
藤田誠人氏の経歴とADLについて
藤田氏は東京オフィスでプリンシパルとして勤務し、自動車および製造業に特化したプラクティスの中心メンバーです。NRIでの経験を経て、ADLに入社し、幅広い業界におけるコンサルティングに従事しています。 彼の専門は、中長期戦略の策定や業界分析に加え、米国市場での活動も含まれ、国際的な視点から日本の自動車および電池産業の発展に寄与することに尽力しています。
アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社は、1886年に設立された世界最古の戦略コンサルティングファームであり、現在は多くの業界に向けて創造的かつ実行可能なオープンコンサルティングを提供しています。
本カンファレンスでの藤田氏の発表は、電池リサイクル分野における今後の行方を示す重要なステップになることでしょう。参加者の皆様にとって、新たな発見とビジネス機会を創出する貴重な場となることを期待しています。