ジャネール・モネイ初の小説『ザ・メモリー・ライブラリアン』翻訳版登場
アメリカのシンガー・ソングライターであり、俳優としても名を馳せるジャネール・モネイが、初の小説『ザ・メモリー・ライブラリアン『ダーティー・コンピューター』にまつわる5つの話』を翻訳刊行することに決定しました。発売日は2025年3月25日です。彼女はこれまでに10回のグラミー賞ノミネートを記録し、最近ではアカデミー賞受賞作品『ムーンライト』や『ドリーム』で主演し、一躍注目の人物となっています。
この作品は、モネイのグラミー賞ノミネートアルバム『ダーティー・コンピューター』のテーマをベースにしています。社会から排除されがちな人々のストーリーを描く本作は、これからの時代を生き抜く力強さを示しています。彼女自身、多くの困難を乗り越え、自己を表現してきたアーティストとして、この小説がどのように反映されるのか興味深いところです。
物語のあらすじ
小説は5つの物語から成り立っており、異なる視点から描かれたキャラクターたちの奮闘が印象に残ります。まず、物語の一つでは、「クリーンな人間」が理想とされ、記憶が厳格に管理される社会に住むセシャトが主人公です。彼女は日々増えていく偽りの記憶に悩まされ、自身の消去された記憶を発見することで、大きな決断を迫られます。
もう一つの物語では、亡き父から授かった一度限りの時間を戻すことができる宝石を持つアンバーが描かれます。彼女は窮地に立たされている家族のために、その宝石を使うべきかどうかを葛藤します。これらの物語を通して、モネイは「存在することの意義」と「自己を大切にすること」の重要性を訴えかけています。
新しい挑戦の背後にある想い
ジャネール・モネイは、彼女自身の音楽や作品を通じて表現してきた「ありのままの自分では生きにくい」というテーマを、小説にも反映させています。翻訳者の一人である押野素子さんは、この作品が全体主義的な監視社会の中での登場人物たちの姿を描いており、それがモネイ自身の生活哲学と響き合っていると述べています。
この小説を通じて、読者は「生きることの美しさ」や「愛と想像力が抵抗手段である」という点に触れることでしょう。モネイの言葉を通じて、今の時代の苦しみを肯定し、個々が持つ力を再確認するきっかけとなるかもしれません。
書籍情報
この作品の翻訳版は、様々な文化的背景を持つ翻訳者たちによって届けられます。もともとアメリカで絶賛され、続々と反響を呼んでいる本書を楽しみにしている方も多いことでしょう。
・ 書名:『ザ・メモリー・ライブラリアン『ダーティー・コンピューター』にまつわる5つの話』
・ 著者:ジャネール・モネイ
・ 翻訳者:安達眞弓、押野素子、瀬尾具実子 など
・ 定価:3520円(税10%込)
・ 発売日:2025年3月25日(火)
ジャネール・モネイがこの新たな挑戦によって、どのように人々の心に響くのか、ぜひ直接手に取って体験してほしいと思います。