AI活用の構造設計支援システム『BROWNIE』が標準化
安藤ハザマ株式会社は、株式会社リバネス、株式会社ヒューマノーム研究所、ソーラーテック株式会社と共同で開発したAIとRPA(Robotic Process Automation)を活用した構造設計支援システム『BROWNIE』を、社内の構造設計部門の標準システムとして導入しました。このシステムは、構造設計の初期段階から利用可能で、基本設計を大幅に効率化し、経験に依存しない安定した設計成果を提供することが期待されています。
1. 背景
建築における構造設計は、一貫構造計算プログラムを用いて柱や梁のサイズを決定しますが、そのプロセスは多くの条件を満たす必要があります。従来の手法では、手動で部材情報を変更しながらトライアルとエラーを繰り返すため、大量の時間が必要でした。さらに、成果物の品質は担当者の知識や経験に左右されるため、一定のばらつきがあったのが課題でした。
そこで、安藤ハザマでは、RPAを利用した自動計算システムを構築し、さらにその上にAI技術を組み合わせた『AIグルーピングシステム』を開発。これにより、構造計算の精度を高めつつ短時間での結果を得ることを目指しています。
2. システムの特長
この『BROWNIE』には、AIグルーピングシステムとRPAシステムが融合した複数の特長があります。主な機能としては、以下の三つが挙げられます:
- - 柱・梁の仮想断面自動算出: 初期設計段階での設計作業を迅速化します。
- - 構造躯体の概算見積資料の作成支援: 設計者が作業する時間を短縮します。
- - 複数ケースの比較検討: 最適な構造計画の選定を助けます。
3. 導入経緯と普及状況
『BROWNIE』の開発は2019年に始まり、2022年には試験運用が開始され、その後2023年には本格運用に至りました。社内の構造設計者の意見を反映しながら改善を重ね、現在では社内利用率が80%に達しています。また、適用可能な全プロジェクトの90%でこのシステムが採用され、多くの建築案件で成果をあげているという実績があります。
4. 適用可能な構造・架構形式
このシステムは、様々な構造種別に対応しており、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、ハイブリッド造のような多様な構造形態をサポートします。また、さまざまな架構形式にも対応し、迅速かつ柔軟な設計の比較検討が可能です。これにより、品質だけでなくコストパフォーマンスも重視した設計提案が実現します。
5. 今後の展開
今後も『BROWNIE』の更なる開発を進め、自動化と高速化を追求。加えて、若手技術者の教育ツールとしての活用を進め、構造設計分野での技術伝承と人材育成を目的とした取り組みを行う予定です。
安藤ハザマの『BROWNIE』は、設計業務の未来を変える一歩として、これからも注目されることでしょう。