日本積層造形株式会社がNEDOのK-Programに採択
日本積層造形株式会社(以下、JAMPT)は、日本電子株式会社、株式会社先端力学シミュレーション研究所、及び国立大学法人東北大学と協力し、NEDOの「経済安全保障重要技術育成プログラム」(K-Program)において、金属積層造形に関する最先端の開発プロジェクトが採択された。
プロジェクト名は「全面統合型次世代金属積層造形技術の開発」であり、その目的は、新しいものづくりの基盤技術を確立することである。事業は2028年度まで続けられ、参加企業と連携して技術を進化させる。
現在の金属積層造形技術の課題
航空宇宙、自動車、産業機械の分野では、複雑な形状を持つ部品を効率的に製造することが求められている。しかし、現在の技術では生産速度や精度、そして粉末品質に課題がある。さらに、部品の欠陥がない造形が重要視されている。
こうした課題に対して、JAMPTは新しい技術を提案している。それが「PBF-EB(電子ビーム粉末床溶融法)」を用いた複数ビーム方式、すなわちマルチドットスキャン方式である。この技術は、高速・高精度の造形を実現することを目指しており、また粉末の品質向上のための均一な真球形状の粉末製造技術の開発にも取り組む。
K-Programの意義と背景
経済安全保障の強化を目指すK-Programは、内閣府や経済産業省が連携して、先端的な重要技術の研究開発を迅速に推進することを目的としている。このプログラムにより、技術の実証までを柔軟に進めることが可能となり、先端製造技術のテーマの一つとして、高度な金属積層造形システム技術が支援対象に選ばれた。
NEDOプレスリリースでは、この採択によって新たなイノベーションが生まれる期待が高まっていると述べられている。JAMPTの取り組みは、経済の安全保障に深く関わる分野であり、国の競争力を高める重要な役割を果たすことが期待されている。
日本積層造形株式会社について
JAMPTは、2017年に設立され、日本で初めて材料粉末の開発・製造から試作品造形、量産の対応まで行う一貫サービスを提供している。双日株式会社、株式会社コイワイ、東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社の出資を受け、金属積層造形の分野でリーディングカンパニーを目指している。さらに、東北大学との連携により、学術的な裏付けと技術サポートを受け、より強力な技術開発を実現している。
本社は宮城県多賀城市に位置し、社長は大竹卓也氏が務めている。今後のプロジェクトの進展に注目が集まる。
詳細については、
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