尿中マイクロRNAでがん発見
2026-01-28 10:39:10

尿中マイクロRNA分析によるすい臓がんの早期発見技術の革新

尿中マイクロRNAで判別するすい臓がんのリスク



バイオAIスタートアップのCraif株式会社が、尿中に含まれるマイクロRNAを用いて、すい臓がん患者とそのリスク因子を持つハイリスク患者を高精度に識別する技術を開発しました。本研究は、川崎医科大学附属病院の吉田教授との共同研究により実現され、2026年に「Frontiers in Oncology」に掲載される予定です。

研究背景と目的



すい臓がんは初期段階での自覚症状がほとんど無く、発見された時には既に進行していることが多く、5年生存率も非常に低いのが現実です。早期の発見が非常に重要であり、早期の発見ができれば生存率は80%以上に達するまでもあります。しかし現在の検査方法には、早期段階での発見が難しいという課題が存在します。特に、糖尿病や慢性膵炎などのリスク因子を持つ患者においては、効率的なスクリーニング方法が求められています。

研究手法と結果



本研究では、2019年から2023年にかけて収集したデータを元に、すい臓がん患者144名とハイリスク患者109名、健康な成人26名から尿を採取し、マイクロRNAの発現量を解析しました。具体的には、患者群と健康群のマイクロRNA発現を比較し、両者を高精度に識別するAIアルゴリズムを開発しました。

その結果、診断の指標となるAUC(ROC曲線下面積)が訓練データで0.888、テストデータで0.889と、高い精度での判別が得られました。このことから、尿中のマイクロRNAはがんの早期発見に寄与する可能性が示唆されました。さらに、マイクロRNA検査で陽性となったすい臓がん患者と血液マーカーCA19-9の相関は弱く、異なる情報を反映することも判明し、異なる検査手法との組み合わせによるさらなる高精度なスクリーニング戦略が期待されています。

Craif株式会社の取り組み



Craifは、がんの早期発見に特化したバイオAIスタートアップであり、尿をはじめとする体液から多様なバイオマーカーを高精度で検出する解析技術「NANO IP®︎」を持っています。彼らは、がんの超早期発見と早期治療を実現するための革新的な検査技術を開発しています。現在、Craifは2024年からのピボタル試験に向けた準備が進められており、すい臓がんに対する新しいアプローチが期待されています。

今後の展望



この研究により、すい臓がんの診断法の進化が期待されます。尿中のマイクロRNAを用いることで、侵襲的な検査を回避し、より多くの患者に対して効率的にスクリーニングを行える可能性が広がります。医療現場での実用化には、さらに多くの臨床データの収集と検証が必要ですが、Craifの技術は未来のがん診断において重要な役割を果たすことでしょう。このような技術の進展が、すい臓がんはもちろんのこと、他のがんにおいても早期発見につながることが期待されています。

さいごに



すい臓がんは、進行するまで自覚症状が現れない難治性のがんですが、それに立ち向かう新たな研究成果が登場し、高精度な検出技術が今後の診療に貢献できることを望みます。従来の検査法とこの新しいアプローチとのコラボレーションが、患者にとってより良い結果をもたらすことを期待しています。


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会社情報

会社名
Craif株式会社
住所
東京都新宿区新小川町8-30THE PORTAL iidabashi B1F
電話番号

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