2024年8月、三井住友海上火災保険株式会社は「令和の住宅防犯実態調査」を実施しました。この調査は、30代から40代の子持ち家庭500名を対象に、家庭の防犯意識や実状を探ることを目的としています。調査結果からは、驚くべき事実が浮かび上がりました。
調査概要と結果の要約
調査は2024年8月9日から8月20日にかけて実施され、インターネットを通じて行われました。調査対象は、持ち家の戸建て住宅を所有し、同居する子どもがいる家庭です。結果として、実に75.6%の家庭が住宅侵入に遭いやすい特徴を有していて、その多くが何も防犯対策を講じていないことが判明しました。この実態は特に衝撃的で、応答した家庭の約64.6%が具体的な対策を行っていないという状況が浮き彫りになりました。
住宅侵入の危険性は、以下のような特徴を持つ住宅に集中しています:
- - 手入れがなされていない植木や枯れ木
- - 玄関周りの清掃が行き届いていない
- - ポストにチラシが溜まっていることが多い
- - 夜間周辺が薄暗くなっている
- - 外出時に鍵を掛けないことがある
ほかにも、外で干した洗濯物が夜まで取り込まれないことや、リモートワーク中に玄関や窓を開けたままにする傾向も報告されています。
低コストの防犯対策が求められる時代
さらに、調査結果では防犯対策を行っている家庭の平均費用は月額3,833円でしたが、今後防犯対策を実施したいと考える家庭の約70%が月額2,000円以下の予算で考えていることが明らかになりました。これにより、コストパフォーマンスの重要性が浮き彫りになっています。最近のホームセキュリティの価格上昇に伴い、低価格でスタートできるAIカメラや各種防犯グッズの需要が高まっています。
防犯の専門家によるコメント
京師美佳氏という防犯アドバイザーは、調査結果について「多くの人々が危機感を持っていない」と分析しています。特に、多くの家庭が侵入の危険を無視し、対策を取らない姿勢が目立ちます。過去に広域強盗が話題になった際には、防犯グッズの需要が20倍に急増した事例もあります。また、2023年には住宅の駐車場で車両盗難が約40%発生しており、その他の防犯対策が求められる現状にあります。
京師氏は「犯罪者が嫌がる4原則(音・光・時間・人の目)に基づいた対策」の重要性を指摘し、AIやIoTを活用したカメラシステムによる迅速なアクションが今後の防犯対策に効果的であると述べています。
福井における具体的な対策事例
特に、福井県などの地域では、地域の自治会による防犯意識向上キャンペーンや、警察と連携した住民説明会などが行われています。市民の協力が防犯効果を高めるため、有効な手段として注目されています。さらに、地域独自の支援策や助成金制度などが導入されており、これにより多くの家庭が防犯対策に乗り出すきっかけともなっています。
まとめ
この調査から得られる情報は、防犯対策が今意識される必要性を伝える重要な指標となります。普段の生活において小さな意識を持つことが、犯罪から身を守るための第一歩に繋がることを、私たちは忘れてはなりません。