三川内焼とルクセンブルク文化の融合による新たな陶芸プロジェクト
長崎県の伝統工芸である三川内焼と、ルクセンブルクの文化が出会う特別なプロジェクトが始まります。このプロジェクトは、特定非営利活動法人ZESDAが支援し、8PEACEが主導する「Heart Cycle Connections【伝統工芸×国際交流】」のもとで展開されます。目的は日本の伝統工芸職人と他国の利用者が協力し、文化を融合させた陶芸作品を創作すること。これにより国際交流を深め、新たな文化の発展を目指します。
2024年度には、三川内焼の職人である中里太陽氏が、ルクセンブルク在住のシェフとともに、両国の文化を織り交ぜた新しい陶芸作品の制作に取り組みます。この作品は、2025年2月に在ルクセンブルク日本国大使公邸で行われる天皇誕生日の祝賀レセプションで披露される予定です。これにより、両国の新たな文化交流を促進し、外交樹立100周年を迎える2027年に向けて、関係者への広報活動も行われる予定です。
プロジェクトの詳細
このプロジェクトでは、約8ヶ月にわたり、日本とルクセンブルクの文化的対話を通じて、融合した陶芸作品を生み出します。中里氏は三川内焼の伝統技法を活かしつつ、ルクセンブルクの文化的要素を取り入れた作品を制作。具体的には、ルクセンブルクの象徴である薔薇と、日本を象徴する桜をモチーフにした花細工が施されます。また、絵付けには2025年の大阪・関西万博に出展予定のルクセンブルクパビリオンのデザインも高く評価されています。
国際交流イベントの実施
このプロジェクトには、在ルクセンブルク日本国大使館や在バルセロナ日本国総領事館の協力も得ています。現地の文化芸術教育機関との協力により、三川内焼の講演会や陶芸制作のデモンストレーション、さらには日本酒を楽しむための盃を使ったワークショップなどのイベントも開催される予定です。これを通じて、参加者は日本の伝統工芸を学び、体験する貴重な機会を得ることができます。
目指す未来
プロジェクトに関与している団体、8PEACEは、創り手と使い手を結ぶ「結び手」として、生活を彩る工芸品の制作を目指しています。彼らの理念は、伝統工芸品をそのまま海外に発信するのではなく、世界中の職人や利用者と共に、新たなものづくりを行うことにあります。また、NPO法人ZESDAは、地方と海外のビジネスを結びつけ、成功を追求することを目指すパラレルキャリア団体として活動しています。
このように、三川内焼とルクセンブルクの文化を結ぶこのプロジェクトは、国際的なつながりを強化し、双方の文化を融合させて新たな価値を生み出すことを目指しています。今後もその進展が期待されます。