在宅型臨床試験の未来
2021-12-10 09:18:50
在宅で行う臨床試験がもたらす新たな可能性と未来の食品開発
在宅で行う臨床試験の新たなアプローチ
近年、コロナウイルスの影響で医療現場では臨床試験の実施が困難になり、多くのメーカーがその対策を講じてきました。この状況下で誕生したのが、スマートフォンを活用した新しい形の在宅型臨床試験「Bee Life Trial」です。この取り組みは、食品業界における重要な変化をもたらし、企業にとっても、消費者にとっても新たな可能性を開くものとなるでしょう。
従来の臨床試験と現状
従来の臨床試験では、約20から200人の健常者が医療機関に集まり、一定期間にわたりデータを収集するという方法が主流でした。これに対し、新型コロナウイルスの影響で、多数の被験者を同一の場所に集めることが難しくなりました。その結果、試験のスケジュールが乱れ、コストが増加するなど、業界全体が厳しい状況に直面しています。一方で、巣ごもり生活によって消費者の健康に対する関心は高まっており、機能性表示食品への需要も急増しています。
このような背景を受け、株式会社HiBeeMは安全かつ効率的にデータを集めることができる「Bee Life Trial」を開発しました。このアプリは、従来型の臨床試験と比べてコストを半分以下に抑えることが可能になり、参加者はより手軽に試験に参加できるようになります。
アプリの特長と機能
「Bee Life Trial」では、被験者は食事、運動、睡眠、そして体重・体脂肪に関するデータをスマートフォン上で簡単に入力できます。従来は手書きで面倒だったデータ収集が、スマホを使うことで気軽に行えるように設計されています。具体的には、ユーザーが「ラーメン」と入力すると、外食か自宅か、さらには種類や具材の詳細が自動で選べるようになっており、これにより約6000項目から選択して記入することが可能です。
このシステムによって、健康食品の効果を技術的かつ正確に把握することができ、コストも抑えられます。なお、アプリは一般の方にも無料でダウンロード可能であり、臨床試験の期間外でも利用できるのが特徴です。
今後の展開
現在、第一弾としてファーマフーズと連携し、食品や美容に関する臨床試験を進行中です。さらに、今後は在宅での採血や検尿を行える仕組みも構築し、試験参加者がより多様なデータを提供できるようなシステムを目指しています。また、利用者の生活データをビッグデータとして収集し、AIを用いて分析した結果を各メーカーへ提供することで、新たな研究基礎データとなることを計画しています。
心も体も豊かにできる可能性を秘めたこの「Bee Life Trial」。食品業界における臨床試験のスタンダードを一新し、よりよい製品開発につながることが期待されています。これからの展開にますます注目が集まります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社 HiBeeM
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前1-5-8 神宮前タワービルディング13階
- 電話番号
-
03-6868-4493