豊田通商とLGエナジーソリューションが手を組む
豊田通商が韓国のLGエナジーソリューションと合意し、北米での車載用電池リサイクル事業を行う合弁会社「Green Metals Battery Innovations, LLC」(GMBI)を設立することになりました。この動きは、電動車や再生可能エネルギーの需要が高まる中、リチウムイオン電池市場の成長に対応する重要なステップを示しています。
電池リサイクルの必要性
アメリカでは、エコカーの普及が進む一方で、使用済み電池や製造段階で生じるスクラップが増加すると予想されています。加えて、環境保護の観点から、レアメタルの回収や再利用が求められています。LGエナジーソリューションは、世界的に有名なリチウムイオン電池のメーカーで、北米市場においても8つの工場を展開し、再利用プロセスの確立に向けた取り組みを進めています。
GMBIの概要
GMBIの役割は、電池スクラップを適切に加工し、ニッケルやコバルト、リチウムを豊富に含んだブラックマスと呼ばれる粉末を高効率、かつ高品質で抽出することです。このブラックマスを新しい電池の原料として循環させるサプライチェーンを目指します。具体的には、年間最大1万3,500トンの電池スクラップを処理できる工場を2026年に稼働させる計画です。
未来への展望
GMBIは、初年度はLGエナジーソリューションから出る製造時のスクラップを中心にブラックマスの回収を行い、将来的にはアメリカ国内で発生する使用済み電池のリサイクルにも取り組みます。豊田通商はこの事業を通じて北米における電池リサイクルの基盤を築き、持続可能な社会の実現に向けた重要な役割を果たしていく考えです。
関与する企業
- - 豊田通商株式会社:半世紀以上にわたり金属スクラップのリサイクルなど、循環型社会の構築を目指してきた企業。2023年から日本国内でもリチウムイオン電池のリサイクル事業をスタート。
- - LGエナジーソリューション:韓国に本社を置くリチウムイオン電池の大手メーカー。独自の技術力を活かし、エコカー市場のニーズに応える製品を展開。
GMBIの設立情報
- - 会社名: Green Metals Battery Innovations, LLC
- - 所在地: 米国ノースカロライナ州
- - 設立予定: 2025年5月
- - 出資比率: 豊田通商が51%、LGエナジーソリューションが49%
私たちが直面する環境問題の解決策として、この新しい電池リサイクル事業は大きな期待が寄せられています。持続可能な社会に向けた取り組みの一環として、今後の展開に注目が集まることでしょう。