INPEXマセラ社のLNGプロジェクト概要
日本のエネルギー業界において重要なニュースが飛び込んできました。日揮ホールディングスが、インドネシアで計画されているアラフラ海マセラ鉱区のLNGプロジェクトにおける基本設計役務を株式会社INPEXマセラから受注したのです。このプロジェクトは、インドネシア共和国のマルク州に位置し、年産950万トンの液化天然ガス(LNG)の生産を目指しています。
プロジェクトの詳細
本プロジェクトは、陸上LNGプラントと洋上生産出荷施設(FPSO)を中心に構成されており、日揮ホールディングスのインドネシア法人であるJGCインドネシア社と、フランスのテクニップエナジー社とのコンソーシアムが手掛けることになります。具体的には、
- - 年産950万トンに対応する陸上LNGプラントの基本設計及びそれに付随する設計・調達・建設工事(EPC)役務
- - 天然ガス処理や貯蔵設備を搭載したFPSOに関連する基本設計役務と見積役務が受注されます。
建設予定地は、陸上LNGプラントがマルク州ヤムデナ島、FPSOは南西沖合約170-180キロメートルの位置です。このプロジェクトは、環境負荷を抑えたエネルギー供給を可能にすることが期待されています。
エネルギーセキュリティへの貢献
INPEXの発表によると、アバディ鉱区は非常に良好なガス田の特性と埋蔵量を持ち、開発が効率的に行える点が魅力です。また、二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)を採用することで、日本を含むアジア各国に対するエネルギーセキュリティの向上を目的としています。このプロジェクトから供給されるLNGは、日本が年に輸入するLNGの約1割強に相当します。
デュアルFEED方式の採用
基本設計役務については、デュアルFEED方式を採用し、異なる企業連合が並行してサービス提供を行います。最終的には、技術や価格が最も優れた提案を行った企業連合が選ばれる予定であり、日揮グループが持つLNG分野での豊富な経験と高い評価が活かされることになります。これにより、プロジェクトの成功が期待されます。
現在進行中の関連プロジェクト
日揮グループは、すでに完工が近づいているLNG Canadaプロジェクトをはじめ、アラブ首長国連邦向けのルワイスLNG新設プロジェクト、マレーシア向けのニアショアFLNGプロジェクトなど、大型のLNG EPCプロジェクトを国内外で進めています。
今後も、環境に配慮しながらクリーンエネルギーの供給を続け、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組む予定です。日揮グループの動きに今後も注目が集まります。