植物と細菌の共生
2026-02-04 10:38:04

植物培養細胞の代謝能力を引き出す共生細菌の研究成果

植物培養細胞の新たな可能性を拓く共生細菌の発見



近年、植物培養細胞を用いた有用化合物の生産が注目されていますが、その能力には限界があることが知られています。そこで新たな手法として、植物内生細菌との共培養が期待されています。この方法により、植物培養細胞の「眠れる代謝能力」を引き出す可能性が示唆されました。具体的には、東京理科大学の研究チームによる成果が発表され、有用化合物生産の新たな基盤技術が開発されたことが明らかになりました。

研究の背景



植物培養細胞は、適切な環境下で安定的に成長し、様々な化合物を生成することができますが、現在のところ、生産可能な化合物は限られています。そこで、植物内生細菌に注目し、それらが持つ力を利用することが、効率的な生産技術として求められています。これまでの研究では、微生物との共培養が植物細胞の増殖を阻害することが多かったですが、今回の研究ではその逆の効果が確認されました。

研究の詳細



東京理科大学の古屋俊樹教授や橋本貴史助教を中心とする研究グループは、タバコ培養細胞(BY-2細胞)と特定の植物内生細菌(Delftiasp. BR1R-2株)との共培養を行いました。その結果、BR1R-2株との共培養はBY-2細胞の増殖を妨げることなく、代謝プロファイルに劇的な変化をもたらすことがわかりました。

特に注目すべきは、BR1R-2株が植物細胞に対する防御関連遺伝子の発現を誘導し、抗菌化合物の生成を促進することが明らかになった点です。これにより、医薬品や機能性素材の開発に寄与する新たな道筋が開かれることが期待されています。

研究成果



研究チームは、共培養によって得られた代謝物を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、その結果、多くの新たな化合物が生成されていることを確認しました。特にアセトフェノン誘導体の増加が見られ、これが植物の防御機能を高める鍵となる可能性があります。

共培養の結果から、BR1R-2株がBY-2細胞の免疫機能を活性化し、抗菌性のある代謝物を生産することが示されました。これは、植物内生細菌の利用が植物培養細胞の潜在的な能力を引き出す方法であることを強く示唆しています。

今後の展望



本研究は、植物内生細菌との共培養技術が有用化合物の生産に革新的な変化をもたらす可能性があることを明らかにしました。今後、この技術を他の植物や細菌の組み合わせに応用することで、さまざまな化合物の生産が行えるかもしれません。これは、持続可能な医薬品や機能性素材の開発に向けた新しいアプローチとも言えるでしょう。

まとめ



植物培養細胞と共生細菌との共培養に関するこの研究は、植物研究の新たな可能性を開くものであり、今後、より多くの種での応用に期待が寄せられています。研究成果は国際学術誌『Microbial Biotechnology』に掲載され、広く注目されています。御覧のように、共生細菌の力を利用することで、植物培養の新たな地平を切り開くことができるのです。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
学校法人東京理科大学
住所
東京都新宿区神楽坂1-3
電話番号
03-3260-4271

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。