地方でのデータサイエンス
2020-12-23 10:17:08
地方でのデータサイエンスの奮闘—新たな働き方と未来への道筋
地方でのデータサイエンスの奮闘—新たな働き方と未来への道筋
2020年代に入り、AIやデータサイエンスに対する関心が高まる中、特に東京以外の地域でもその取り組みが活発になっています。特に新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが普及し、東京の仕事を地方で請け負う新しい働き方が生まれています。これに伴い、地方移住の動きも見られ、データサイエンティストの需要が地域に広がる可能性が出てきています。
しかし実際には、地方においてはまだまだAI関連の案件が少なく、IT化すら進んでいない企業が多いのが現状です。これを受けて、一般社団法人データサイエンティスト協会が主催する「7thシンポジウム〜データサイエンスの最前線〜」が開催され、さまざまな地域から集まったデータサイエンティストたちが現状の課題について活発な議論を展開しました。
データサイエンティストの求人数と東京の集中
シンポジウムでは、まず地方におけるデータサイエンティストの求人数を示す簡易的な調査結果が紹介されました。この調査によると、データサイエンティストの求人が東京に偏っていることが明らかになりました。実際に、AI関連の案件や人材の約70〜80%が東京に集中していることが確認されており、地方では案件自体が少ないだけでなく、ビジネスとしてのメリットの観点からも難しさが指摘されました。
特に、データ整備やクラウド管理を行うエンジニアが不足している点や、地域におけるAIエンジニアやデータサイエンティストへの認知度が低いことが問題視されており、急務として啓蒙活動の重要性が深く議論されました。
新型コロナの影響で注目される地方
新型コロナウイルスの影響を受けた地方からの事例も紹介されました。東京から移住し、リモートワークで東京や海外の案件を請け負う、新しい働き方が生まれています。このような取り組みは特に地方で注目を集め、リモートでの接続性が向上したことが功を奏しています。
ただし、地方におけるエンジニアの採用は依然として厳しく、幅広いスキルを持つ優秀な人材を採用する難しさが強調されました。そのため、IターンやUターンだけでなく、海外からの人材活用も重要な戦略とされていることが指摘されました。
東京と地方の共通の課題
東京と地方とでは共通の悩みもあります。それは、クライアントから寄せられるAIに対する期待が時に過剰であることです。登壇者たちは、現実的なアプローチが求められることを強調し、小さく始めて徐々に成長させる交渉方法や、身近なツールを活用して成果を上げることが重要であると提案しました。
また、地方の企業や自治体では、対面での打ち合わせが重視される傾向があり、オンラインでの仕事文化が育っていないため、その理解を進めることの重要性も語られました。
地方のデータサイエンスを推進する未来
NOB DATA株式会社は、地方のデータサイエンスの推進が必要であると述べ、多くが東京に集まる現状を打破するための努力を続けています。人材の発掘や情報交換が地方の発展に不可欠であり、全国各地での連携によって課題解決を図る必要性があると言えます。これにより、地域ごとの特性を生かした新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
シンポジウムを通じて、地域ごとの制約や課題について認識することができ、今後のデータサイエンスの進展に向けた具体的なステップが模索されることになりました。今後も定期的にセミナーを開催し、地元を盛り上げたいと考える人々と共に歩んでいく所存です。
会社情報
- 会社名
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NOB DATA株式会社
- 住所
- 福岡県福岡市博多区博多駅東2-5-19 サンライフ 第3ビル 6F
- 電話番号
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