日本の冬の風物詩、お雑煮。地域ごとに異なる作り方や具材で、各地の文化を色濃く映し出すこの料理は、まさに国の財産です。その多様性を体現する「お雑煮たべくらべ会」が、2024年11月21日から24日までの4日間、東京ミッドタウンにある『茅乃舎だしおでん』で開催され、多くの来場者を魅了しました。
このイベントは、久原本家グループが手がけるもので、全国から選りすぐりの5種類のお雑煮を一同に楽しめる貴重な機会です。各日の予約は瞬く間に埋まり、当日訪れた方々を含め、なんと500名以上がこのユニークなお雑煮体験に参加しました。
お雑煮の文化と多様性
茅乃舎が主催するこのイベントでは、参加者たちがその食文化の多様性を体験できるよう、様々なお雑煮が提供されました。プランナーの齊藤珠美による事前の解説もあり、各地のお雑煮に込められた歴史や風土についての理解が深まりました。
例えば、福岡が誇る博多雑煮は、焼きあごや干し椎茸などの豊かな出汁に、鰤やかつお菜がダイナミックに盛り込まれています。商人の町としての博多らしさを反映し、具沢山なスタイルが特長です。このように、各地域のお雑煮はそれぞれの背景や風土を表現しています。
さらに、統括料理長の岩根和史は、江戸雑煮と京風雑煮の違いについて語り、味の背後にある文化や歴史に迫りました。白味噌ベースの京雑煮は円満を意味する具材が使用されているのに対し、江戸雑煮は醤油ベースで、勝負ごとの場にふさわしい配慮がなされています。
大盛況のイベント
このたべくらべ会は、全6回のセッションで構成されており、様々な人々が訪れました。小さなお子様を連れた家族から外国人まで、幅広い層の方がそれぞれの好奇心を満たしている様子が見受けられました。参加者の口コミには、「異なる味を一度に楽しめて、新しい発見があった」「地域ごとの違いが明確で、とても面白い」といった反響が寄せられました。
会場には「全国お雑煮マップ」が展示され、地域ごとのお雑煮の特徴や製法が視覚的に情報提供されていました。各地の餅の形や調理法の違いが色分けされ、参加者同士でその違いを楽しむ姿が印象的です。
お雑煮調査を通じて未来を見据える
そして、今回のイベントに併せて開始された『全国お雑煮調査』は、2025年1月15日まで実施中です。この調査は、家庭ごとのお雑煮のバリエーションを集め、現代のお雑煮の実像を探ることを目的としています。webでの簡単な回答が可能で、参加者自身の子どもの頃の思い出や独自のレシピを共有する場となっています。
食文化の継承を目指して
久原本家グループの河邉哲司社主は、イベントを通して「茅乃舎が大切にする日本の食文化を次世代に伝え、地域と家庭の味を未来へつなげていくことが重要」とし、その理念を強調しました。まさに、お雑煮はただの料理ではなく、地域の歴史が詰まったを一品なのです。
お雑煮を通じた豊かな経験を経て、茅乃舎は今後も日本の食文化を守り育てる取り組みを強化していくことでしょう。未来を担う食文化の源流を共に体験し、味わうことができる機会を今後も期待したいですね。