進化するリチウム電池
2024-10-22 16:06:25

3DCが岐阜大学と共同研究を開始、進化するリチウムイオン電池技術

株式会社3DC(本社:宮城県仙台市)が、自社開発の次世代カーボン素材「Graphene MesoSponge®(GMS)」を用いて、岐阜大学の西田哲准教授と共同研究を開始しました。この研究の目的は、リチウムイオン電池の高容量化と長寿命化を同時に実現する「シリコン系負極材料」の開発です。2024年4月から本格的に始まるこの共同研究により、リチウムイオン電池の革新が期待されています。

共同研究の背景


持続可能な社会に向けてカーボンニュートラルへの関心が高まる中、リチウムイオン電池はその中心的役割を担っています。電動化社会実現の鍵を握るリチウムイオン電池は、小型で長寿命の特性を持ち、再生可能エネルギーの導入を促進する重要な要素です。これまででもリチウムイオン電池は進化を続けてきましたが、さらなる高容量化が求められています。

シリコン系負極材料の重要性


近年、リチウムイオン電池の高容量化へのアプローチとして注目されているのが「シリコン系負極材料」です。シリコンはリチウムイオンを高効率で取り込む能力を持ち、従来のグラファイトと比べて10倍のリチウムイオンを蓄積できるため、シリコン系材料の採用が進められています。特に、炭素材料とシリコンを組み合わせた「Si/C」負極材料は、さらに注目を集め、研究が進んでいます。

どのように研究が進むのか?


本研究において、3DCが提供するGMSは、気相蒸着法でシリコンを高充填化できる特性を持っています。このGMSは、その多孔質な構造と柔軟性により、シリコンの体積変化を吸収計劃しながら、充放電サイクルにおいても性能を維持できると期待されています。これは、リチウムイオン電池の「高容量化」と「長寿命化」両方の課題解決に向かう大きな一歩です。

西田哲准教授の経歴と研究内容


岐阜大学の西田哲准教授は、名古屋大学理学研究科で博士号を取得後、首都大学東京や岐阜大学にて研究を続けています。彼は、CVDを利用した材料形成や電気特性評価の分野で長年の経験があり、今回の共同研究を通じてリチウムイオン電池技術の進化に寄与することを目指しています。

共同研究によるビジョン


3DCは、この共同研究を通じて、リチウムイオン電池の市場において、環境に優しく持続可能な技術の実現を目指します。シリコン系負極材料の商業化を進めることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目標としています。さらに、3DCは事業化パートナーとなる企業を広く募集中で、技術の産業化を推進しています。企業からの連絡を待ち望んでいます。

3DCの会社概要


3DCは2022年に設立された、東北大学から発足したベンチャー企業です。GMSは、既存のリチウムイオン電池の技術に留まらず、次世代電池技術の向上にも寄与すると期待されています。今後も3DCは、持続可能なエネルギーを次世代へ届けるために、優れた技術開発に邁進しています。


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会社情報

会社名
株式会社3DC
住所
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1国立大学法人東北大学 産学連携先端材料研究開発センター
電話番号
022-797-8073

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