NUProteinの革新技術ライセンスプログラム
2024年8月27日、淡路島でNUProtein株式会社が新たに発表した技術ライセンスプログラム「GenesCIS Elements and Methods」は、植物由来の機能性タンパク質合成に重要な役割を果たす内容です。このプログラムは、特にコムギ胚芽からの無細胞タンパク質合成技術を広く公開し、培養肉および生化学試薬の分野での革新を目指しています。
機能性タンパク質への道
NUProteinの取り組みが注目を集めるのは、「機能性タンパク質の未来を誰もが手にできる世界を実現する」という理念に基づいているからです。この新たなプログラムを通じて、あらゆる企業や研究者が成長因子をはじめとした機能性タンパク質の合成を手軽に行える環境を整備します。
特に、培養肉産業においては、産業の加速を支援し、生化学試薬分野では研究者が迅速に目的のタンパク質を低コストで利用できるようになることが期待されています。
市場の成長性とNUProteinの位置づけ
最近、米国のRoots Analysis社が発表したレポートによると、無細胞タンパク質合成市場は2023年に約2億7500万ドルに達し、2035年には年平均成長率(CAGR)7.1%の成長が見込まれています。特にNUProteinは、特許面でもトップ5企業の1つとして評価されています。このプログラムでは、NUProteinが特許を取得した重要な技術やノウハウが広く提供されることで、さらなる発展を促進します。
ライセンスプログラムの構成
本プログラムは短期評価用ライセンスと商用ライセンスの2種類で構成されています。短期ライセンスは技術の評価及び試験利用が可能であり、商用ライセンスは商業的な利用をサポートします。これらのライセンスには、コムギ胚芽からタンパク質翻訳装置を抽出する際の試薬の組成や、翻訳反応に必要なアミノ酸混合液の製造方法、さらには機能性タンパク質に関連する遺伝子配列などが含まれます。
さらに、商用ライセンスには奈良先端科学技術大学院大学が提供する高発現遺伝子設計技術を活用した遺伝子最適化サービスもオプションとして提供されます。このサービスにより、利用者は食用コムギ胚芽を起点としてさまざまな機能性タンパク質をより安価に合成できるようになります。
未来を共に切り拓く
NUProteinは今回のプログラムを通じて、知識の共有と共に新しい時代の食肉生産、生化学研究の持続可能性向上に向けて、パートナーを募集中です。この取り組みによって、食の未来をより効率的で革新的なものに変えていこうとしています。
このように、NUProteinの新たな試みは、植物由来機能性タンパク質産業に大きな影響を与えると予想されており、今後の展開に注目が集まっています。