自律制御型ロボットによる新たな3D解体技術の開発契約の締結
当社は、遠隔操作の溶断ロボット「りんご☆スター」を2009年から実用化し、プラント解体の現場で数多くの実績を積んできました。このロボットは、特許を取得した「リンゴ皮むき工法」を適用し、球形ガスホルダーの解体作業を行うことで、その機能を発揮しています。しかし、当社が掲げる中期経営計画(2018年)では、より高度な解体作業、特に原子力発電所の廃炉作業の実施に向け、完全自律制御型ロボットが求められています。
これを踏まえ、当社は新たに3D解体技術の研究を進めるため、京都大学大学院工学研究科の松野文俊教授と山口大学大学院創成科学研究科の水上嘉樹准教授との三者共同で研究開発契約を結びました。この共同研究の目的は、点群3Dマップを基にした自律動作ロボットの開発です。
共同研究の具体的な内容
具体的には、山口大学がコアとなり、ロボットに搭載される視覚センサーから得られる空間情報と3D点群データの比較照合に注力します。一方、京都大学は、そのデータをもとにし、自律動作するロボット技術の開発を担当します。また、国際レスキューシステム研究機構は、実験用プラットフォームを提供する役割を担うことになります。
この研究の成果は、自律機能を持ったロボットによる自動プラント監視や施工の実現だけでなく、原子力発電所の解体においても、その活用が期待されています。
研究期間と今後の見通し
今回の契約に関しては、平成29年3月31日までの期間で進められ、全体の開発スケジュールは3年を想定しています。これにより、将来的には当社の業務活動の推進に寄与することが見込まれています。3D解体技術の実現に向けた一歩が、さらなる産業の発展に繋がることを期待しています。
用語解説
- - 3D解体: 3次元データを用いて対象物を計測し、解体プロセスのシミュレーションから実際の作業までを自律制御によって行う技術です。これは、いわば建設業界における「i-Construction」に似た取り組みです。これにより、より効率的で安全な解体作業の実現が期待されています。