筑波大学と学研トルコが共同研究プロジェクトを開始
はじめに
株式会社学研ホールディングスの子会社、Gakken Turkey Inovatif Eğitim A.Ş.(学研トルコ)は、国立大学法人筑波大学との国際共同研究プロジェクトを正式にスタートしました。このプロジェクトは、日本とトルコが共通して抱える重要な社会課題への取り組みを目指しています。具体的には、女性の社会進出や地震災害への備えといったテーマに対し、マンガや文学を活用して理解を深め、行動を促すことが目的です。
共同研究の背景
日本とトルコは、女性の権利向上と社会進出、さらには自然災害に対する備えなど、数多くの社会的課題に直面しています。これらの問題を解決するため、筑波大学トランスボーダー・マンガ・リサーチグループ(筑波大TBMRG)と学研トルコが協力します。教育界と産業界の知見を組み合わせることで、新しい教育の形を生み出し、広く影響を及ぼすことを期待しています。また、トルコのチャナッカレ・オンセキズ・マルト大学などの他の大学とも連携し、国際的な視野でプロジェクトを展開します。
主な取り組み
1. 公開講座の開催
2025年3月には「マンガによる女性活躍の啓発」をテーマにした公開講座が筑波大学で開催され、トルコの社会起業家レナン・タン・タヴゥクチュオール氏を講演者に迎えました。トルガ・オズシェン教授もコメンテーターとして招かれ、日本のポップカルチャーがトルコの女性の社会進出にどのように寄与しているかについて語りました。この講座には120名が参加し、活発な意見交換が行われました。
2. 絵本『プドゥヘパ――ヒッタイトの平和の女王――』の日本語翻訳
トルコの教授と学生が協力し、筑波大学との共同作業によって絵本の日本語版が完成しました。この絵本は、教育・外交の現場で注目を集めており、翻訳は在日トルコ大使館にも提供されています。さらに、この絵本を利用した展示会や研究発表も予定されており、両国の文化的交流を深めるための新しい取り組みとなっています。
今後の展望
本プロジェクトは、以下のような未来の展望を持っています。
1. 震災教育やリカレント教育でのマンガの活用研究。
2. 日本語教育ツールとしてのマンガ・アニメの有効性調査を中東・アフリカに展開。
3. 各種展示会で共同研究の成果を発表。
4. 国内外の大学と連携し、オンラインを活用したワークショップや公開講義を実施。
このように、筑波大学と学研トルコの共同研究は、両国の社会課題解決に貢献するだけでなく、国際教育や文化交流の促進にも寄与していくことでしょう。さらなる展開が期待される本プロジェクトに、多くの注目が集まることは間違いありません。