公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会は、7月17日に開催された理事会で、2024年(第31回)コスモス国際賞の受賞者に、ケンブリッジ大学動物学科研究部長ウィリアム・ジェームズ・サザーランド博士(68歳)を選出しました。
サザーランド博士は、「保全科学(conservation science)」のパイオニアとして、基礎研究から環境政策への提言まで、多岐にわたる研究活動に尽力し、「エビデンスに基づいた保全(evidence-based conservation)」を提唱してきました。
特に、世界中の膨大な研究論文から情報を集積し、誰でも利用可能なウェブサイト『Conservation Evidence』を構築したことが高く評価されています。このウェブサイトは、生物多様性保全のあり方に革新をもたらし、より科学的な根拠に基づいた保全活動の実施を促進しました。
さらに、博士は「ホライズン・スキャニング(horizon scanning)」という手法を開発し、人類社会に重大な脅威となる予兆を早期に特定し、対策を講じるための重要なツールとして、政策立案や生物多様性の保全戦略などに活用されています。
サザーランド博士の受賞は、生物多様性保全の重要性を改めて認識させるとともに、科学的な根拠に基づいた保全活動の推進を加速させるものとして期待されています。
授賞式は、2024年11月12日(火)に大阪で開催される予定です。