コムチュアとクリューグル、AIプラットフォームでの協業
コムチュア株式会社(以下、コムチュア)とクリューグル株式会社(以下、クリューグル)は、両社の強みを活かした業務提携契約を締結し、企業のソフトウェア資産やナレッジ資産のAI活用支援に取り組むことを発表しました。この提携により、コムチュアはクリューグルのAIプラットフォーム「Krugle」を用いて、レガシーシステムの開発・保守を支える新サービスを立ち上げる予定です。特に、製造業における暗黙知や教育コンテンツのナレッジ化を目的とした共同開発も行われる見込みです。
業務提携の背景
近年、企業におけるAI活用は、Proof of Concept(PoC)の段階から実務への実装へと進化しています。しかし、多くの企業では、AIの導入に不可欠な「データと既存システムの整理」が十分に進んでいないのが現状です。特にレガシーシステムに関しては、長年の改修によって仕様が不明瞭となり、担当者の異動や退職によって維持が難しくなっています。また、製造業では設計ノウハウや現場の判断基準が非構造化データとして分散しており、従来のAI技術では活用が難しい状況です。今後、システムインテグレーターの役割は、単なる機能提供から顧客の業務やデータを整備し、AIが効果を発揮する環境を整えることへと変わっていくと考えられます。
Krugleプラットフォームの特長
クリューグルが提供する「Krugle」は、企業のソフトウェア資産とナレッジ資産を整備して活用を推進するAIプラットフォームです。以下の特徴があります。
1.
既存資産の活用: クローリング・構文解析を通じて、既存のリポジトリからソースコードを移動させることなく、セマンティック検索を実践します。
2.
非構造化データのナレッジ化: ExcelやPDFなどの従来AIが読解困難だったデータを、RAG化し、関連ドキュメントとの関連付けを行います。
3.
AIエージェントによる業務遂行: 業務ノウハウを「スキル」として資産化し、AIエージェントが自律的に業務を実行します。
4.
プライベート環境での運用: 機密情報を外部に流さずに利用でき、AI利用コストを抑える設計になっています。
コムチュアは、レガシーシステムの分析と非構造化データ活用において、このプラットフォームの設計思想やセキュリティ要件を特に評価し、最適なパートナーとしてクリューグルを選定しました。
業務提携の具体的な内容
提携による協業は以下の領域に広がります。
1.
レガシーシステムの保守サービスの共同展開: 「Krugle」を用いた既存システムの可視化やドキュメント整備を行い、効率的な保守運用サービスを提供します。
2.
Data & AI活用への発展的支援: 保守運用を通じて、顧客の業務を深く理解した上で、データ基盤やAI活用の企画・実装・定着を行います。
3.
業務特化アセットの共同開発: 製造業の暗黙知や人材育成に特化したサービスアセットの共同開発を進め、ソフトウェア開発以外の企業活動にも適用範囲を広げます。
中期経営計画との整合性
コムチュアは2026年に公表した中期経営計画に基づき、「Data & AI FIRST」と「カスタマーサクセス」を重点テーマとして掲げ、ビジネスモデルの変革を推進しています。本提携は、これらのテーマを具体化するための一歩と位置付けられています。
今後の展望
コムチュアは、クリューグルとの共同サービスの拡充や資本提携を進め、より強固な関係を築いていく考えです。AI時代の変化は、既存事業にリスクをもたらす一方で、新たな成長機会を提供すると期待されています。業務提携やM&Aを通じて、Data & AI領域における人材やサービスの基盤を加速的に強化していく方針です。
代表者のコメント
コムチュアの亀井社長は、AIの開発が容易になる一方で、顧客のデータやノウハウを整えることが本質的な成果につながる強調し、事業のあり方を改めていく考えを示しました。クリューグルの川北社長も、この提携が日本企業のデータ活用を支える重要な基盤になると語り、両社の協力の重要性を訴えています。