芦辺拓の新刊『明治殺人法廷』、動乱の時代を描くミステリー小説が登場！

芦辺拓の新刊『明治殺人法廷』がついに刊行

新たなミステリー小説が日本の文豪、芦辺拓の手によって明治時代の大阪を舞台に帰ってきました。『明治殺人法廷』は、9月11日に刊行されるこの作品で、著者はこれまで数多くのミステリーを世に送り出してきた実力派です。

この作品の背景は明治20年、技術革新と西洋化が進む一方で、人々の自由を求める声が大きくなっていた tumultuousな時代です。弁護士や新聞記者など当時の知識人は「代言人」「探訪」と呼ばれ、現代ではインテリとして尊敬される職業であったものの、実際には社会から「ならず者」とみなされることもあったのです。これは、当時の社会背景や、自由民権運動が盛んになっていたこととの関係からくるものです。

物語の中では、二人の青年が中心になって進行します。幕臣の子息である探訪記者・筑波新十郎は自由民権運動の波に翻弄され、大阪に流れ着きます。そして、大阪の商家に生まれ代言人として修行中の迫丸孝平は、被告人に対して厳しい運営の法廷において苦闘を重ねています。この二人が出会い、質屋一家の殺人事件の真相を追求し、裁判で公正な結論を導くために奮闘する姿が描かれています。

彼らの違った背景と個性が物語を一層引き立てています。筑波は証拠を探し出すために奔走し、迫丸は法廷で言葉を武器に戦う姿は、読者を引き込みます。果たして、二人は何を解き明かし、どのような結末に辿り着くのでしょうか。

書評として、この作品は単なる推理小説にとどまらず、明治時代の社会背景やそこに生きる人々の思考を深く掘り下げるものになっていると言えます。法廷の緊張感、生き延びるための戦略、異なる立場の者たちの思惑が入り乱れ、まさにこの動乱の時代を体現した物語が展開されます。

『明治殺人法廷』は、芦辺拓が描く近代大阪グランド・ロマンの一部として、前作『大鞠家殺人事件』に続く期待を寄せられる作品です。たった408ページに詰め込まれたこの物語は、読者にとって刺激的な時間を提供することでしょう。

気になる書誌情報としては、判型は四六判上製で、ISBNは978-4-488-02912-8。定価は消費税含めて2,420円です。装画は玉川重機、装幀は岩郷重力＋R.Fが手掛けています。ぜひ、新刊を手に取って、明治の大阪で繰り広げられるミステリーの深淵に触れてみてはいかがでしょうか。

芦辺拓の新たな挑戦が、あなたを待っています。ぜひご期待ください。