衆院選における与党の過半数割れ
2024年10月27日に行われた衆議院選挙で、自民党と公明党の与党は定数465の議席の過半数に届かず、大敗を喫しました。この選挙結果を受け、立憲民主党や国民民主党などの野党が躍進しました。紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI)は、全国の18歳以上の男女1000人にオンライン調査を実施し、国民の意識を分析しました。
調査結果の概要
与党過半数割れについて
調査結果によれば、与党が過半数を割ったことについて「よかった」と考える人は64.0%に上り、「当然の結果」と感じる人も57.7%です。このことは、国民の多くが与党の政権運営に対して批判的であることを示しています。
政治資金不記載問題の影響
重要な要素として、政治資金の不記載問題が選挙結果に与えた影響が挙げられます。92.4%の人々がこの問題が選挙結果に「かなりあった」または「ある程度あった」と回答しました。また、自民党が公示直前に非公認とした代わりに、2000万円の政策活動費を支給していたという報道が選挙結果に影響を与えたという意見も87.1%に達しました。
「みそぎが済んでいない」という認識
不記載問題について、「みそぎが済んでいない」と考える人は79.7%に達し、参院議員に対しても非公認措置を求める意見は74.3%を占めています。これにより、自民党が公認を受けられなかった候補者に追認を与えるべきではないとする意見も57.2%に達しました。
新たな連立政権の期待
調査結果では、希望する与党の組み合わせとして「立憲を中心とする野党連合」が25.3%で最多でした。続いて「自民、公明、国民による連立」や「自民、公明による連立で国民が閣外協力」がそれぞれ10.0%の支持を得ています。これにより、国民の約4割が何らかの形で自公が参加する連立政権を望んでいることが読み取れます。
政策に対する期待
衆院選後の特別国会を経て、新内閣に取り組んでほしい政策の上位には「物価高対策」が78.6%、続いて「景気や雇用」が59.6%、そして「社会保障問題」が42.8%などと続き、政治改革を求める声も高まりました。
石破首相に対する評価
与党過半数割れの責任を取るべきだとの意見が35.1%である一方で、辞任すべきではないという声も36.5%に上ります。石破内閣への支持は15.2%で、前回の調査よりも大幅に減少し、57.1%が支持しないという結果となりました。
政党支持率の変動
政党支持率においては、自民党が14.0%(前回15.6%)と減少する一方で、立憲民主党は8.0%(前回5.6%)、維新が6.5%(前回5.3%)に上昇しました。特に、支持政党がないと回答した割合が54.3%に達し、国民の政治への不信感が強まっていることが明らかになりました。
結論
今回の調査により、日本の政治環境が大きな岐路に立たされており、国民の意識が大きく変わっていることが示されています。政治資金の透明性を求める声が高まり今後の政策や政権運営において、従来の価値観が通じなくなる可能性があります。これは、投票行動や国会での議論において、今後の大きな影響を及ぼすことが予想されます。
調査の詳細は
KSI公式ウェブサイトで確認できます。