障がい者雇用の新たな選択肢テレワーク導入に向けた支援事業開始

新しい雇用の形を模索する企業への支援

福岡県が推進する「テレワークによる障がい者雇用アドバイザー派遣事業」が2024年8月1日にウェブページを公開し、注目を集めています。この事業は、テレワークの活用を通じて障がい者の雇用の促進を目的とし、企業の雇用活動に新たな選択肢を提供します。福岡県から委託を受けている綜合キャリアトラストは、このアドバイザーを派遣し、テレワーク導入を希望する企業を支援します。

企業へのサポート内容

この事業では、以下のようなサポートを提供しています。

- 障がい特性に応じた業務選定のアドバイス
- テレワーク求人の作成サポート
- 労務管理に関する相談
- 助成金制度の情報提供
- サテライトオフィスの紹介

これにより、企業は通勤型雇用では採用が難しい障がい者を積極的に雇用できるようになると期待されています。

導入した企業の成功事例

実際にテレワークを導入した企業からは、次のような声が寄せられています。

- 「テレワーク求人の導入により、条件に合った優れた人材を採用できた」
- 「通勤が必要ないため、体調管理がしやすくなったという社員の声が多かった」
- 「障がいに配慮した業務環境を提供できるようになり、社員が持つ能力を最大限に引き出せるようになった」

障がい者のテレワーク希望実態

障害者職業総合センターの調査によると、雇用されている障がい者の約61.6%がテレワークを希望していることがわかりました。また、雇用されていない障がい者のうち約64.1%も条件によりテレワークを希望しています。
このように、テレワークへのニーズは高まっており、障がい者雇用の新たな手段としての可能性が見えてきます。

共同利用型の障がい者専用オフィス

この事業には、福岡市博多区に位置する「こといろ」というサテライトオフィスも含まれています。このオフィスは、障がい者支援の経験豊富なスタッフが常駐し、最適な働き方を提供しています。2020年の開設以来、73人の障がい者がこのオフィスでの就労を経験しており、成功を収めています。

法定雇用率の引き上げに対応

日本では、「障害者雇用促進法」に基づき、企業は一定の割合で障がい者を雇用する義務があります。この法定雇用率は2024年4月に引き上げられ、2026年には更に上昇する見通しです。各企業は、法定雇用率達成に向けた取り組みがますます重要になります。

綜合キャリアトラストは、テレワークへの導入が障がい者雇用促進に及ぼす影響を重視し、各企業に対する支援を続けています。障がい者の活躍の場を広げるための取り組みが今後も期待されます。