漆芸の魅力を堪能する『漆芸礼讃―漆工・三砂良哉―』
大阪府池田市に位置する逸翁美術館では、特別展『漆芸礼讃―漆工・三砂良哉―』が2024年9月21日から11月24日まで開催されます。この展示は、大阪を代表する漆芸家である三砂良哉の作品を初めて大々的に紹介するもので、彼の芸術文化における貢献を振り返り、その美しさを体感する貴重な機会です。
三砂良哉とは?
三砂良哉(1887~1975)は、酒造業を営む家系に生まれ、若いころから日本画を学びました。その後、漆芸の世界に魅了され、大正から昭和にかけて大阪を拠点に精力的に活動しました。特に注目すべきは、名だたる文化人との交流です。阪急東宝グループの創立者である小林一三との出会いを契機に、彼の好みに合わせた作品を多く手がけたことで知られています。彼の作品は、日本の伝統的な美意識を反映しつつ、独自の表現を持つ精緻で美しいものが多く、数多くの茶道の名手たちに愛されました。
展示内容と企画
本展では、三砂の代表作が多数展示されます。彼の技術力とデザイン力が融合した作品の数々は、どれもが見る者を魅了するもので、特に彼の描く作品は絵画的でありながら、漆芸ならではの魅力も兼ね備えています。展示期間中には、関連企画として、武者小路千家の隨縁斎千宗屋氏による講演会や、専門の学芸員による鑑賞講座も実施されます。また、館内に設置された椅子式の茶室「即心庵」において、特別な呈茶も楽しむことができます。
概要
- - 会期: 2024年9月21日(土)~11月24日(日)
- - 休館日: 毎週月曜日(特別開館日あり)
- - 観覧料: 一般1000円、学生800円、中学生以下は無料
- - 開館時間: 10:00~17:00(入館は16:30まで)
特に注目の講演会は、10月14日(月・祝)14:00から、「好み物を楽しむ―茶人と職人の共同作業」をテーマに行われます。さらに、作品の魅力を伝える鑑賞講座は、9月23日(月・祝)、11月16日(土)に開催され、どちらも事前申し込みが必要ですが、参加費は無料です。
茶室「即心庵」と呈茶の体験
特別展期間中の日曜日には、茶室「即心庵」にて呈茶が行われ、三砂の作品にインスパイアされたお菓子と共に、ゆったりとした時間を楽しむことができます。チケットは、10:00から受付で販売され、先着順です。希少な体験を通じて、漆芸の美しさに触れてみてはいかがでしょうか。
最後に
この特別展『漆芸礼讃―漆工・三砂良哉―』は、漆芸に対する新しい視点を提供する良い機会です。歴史に名を刻む三砂良哉の作品を通じて、彼がどのように日本の漆芸を発展させたのか、そのひとつひとつを楽しみに訪れてみてください。詳細情報は公式ウェブサイトで確認できます。