ワタミ、バングラデシュに訓練センター開校
2025-05-29 17:37:33

ワタミがバングラデシュに「ジャパントレーニングセンター」開校、両国の未来を拓く人材育成の新たな架け橋

ワタミグループがバングラデシュに「ジャパントレーニングセンター」を開校しました。これは、日本とバングラデシュ両国の未来を拓く重要な一歩です。日本の技能実習制度と特定技能制度に対応する専門人材を育成し、慢性的な人手不足解消とバングラデシュの雇用創出に貢献することを目指します。

首都ダッカ管区モノハルディに位置するこのセンターは、バングラデシュ政府の人材雇用研修局と連携し、年間約1,000名の受講生が日本での就労を見据えた実践的カリキュラムを修了する計画です。語学学習に加え、日本での生活や仕事に即した専門スキルと文化理解を深め、即戦力となる質の高い人材輩出が期待されます。確立された教育プログラムは、バングラデシュ国内の既存訓練センターへ段階的に展開され、広範な人材育成ネットワーク構築に寄与。ワタミエージェントを通じて、バングラデシュから日本へ3,000名もの人材送り出しを目標に掲げ、両国間の人的交流を促進します。

現在、日本は多くの産業で深刻な人手不足に直面しており、特にサービス産業、中でも飲食業界はその影響を大きく受けています。日本フードサービス協会によると、外食産業の売上高は40カ月連続で前年を上回り、コロナ禍からの力強い回復を見せていますが、同時に人材確保が喫緊の課題です。このような状況下で、外国人材への期待と需要は一層高まっており、ワタミの今回の取り組みは、日本の経済活動を支える上で不可欠な外国人材の安定供給に繋がるものとして注目を集めています。

ワタミとバングラデシュの特別な関係は、単なるビジネス提携に留まりません。始まりは、2011年の東日本大震災後、ワタミ代表取締役会長の渡邉美樹氏とノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏の出会いです。ユヌス氏が震災慰問で来日した際、バングラデシュでのレストラン展開をワタミに打診しましたが、渡邉氏はこの申し出に対し、教育支援を提案。2013年、「郁文館夢学園」の「夢教育」理念を基に、「ナラヤンクル・ドリーム・モデル・ハイスクール」が開校されました。日本から教職員が派遣され、質の高い教育を提供した結果、同校は現在、生徒数1,500名を超える規模に成長し、バングラデシュ国内屈指のモデル校としての地位を確立。この長年にわたる教育支援と信頼関係が、今回のジャパントレーニングセンター開校へと繋がったのです。

この一大プロジェクトを牽引するのが、ワタミグループの一員であるワタミエージェント株式会社です。2020年5月に設立されて以来、同社は特定技能および技能実習生を中心に、約900名もの外国人材の管理とサポートを担うまでに成長。「アジアの未来を担う人材を育成し、個人と地域が成長する“みらいづくり”に貢献すること」を理念に掲げ、登録支援機関として日本へ来る特定技能人材の紹介から生活・就労支援まで幅広く手掛けます。さらに、カンボジアやバングラデシュでは、日本語学校の運営と送り出し機関としての機能も果たし、現地でのリクルートから教育、出入国支援、日本国内支援、帰国後のフォローアップまで、外国人材が日本で活躍し、母国に戻ってからも経験を活かせるよう、全行程一貫してサポートする独自の体制を構築。この包括的な支援体制こそが、ワタミグループが質の高い人材を安定的に供給できる強みです。

今回のジャパントレーニングセンター開校は、ワタミグループの事業戦略と同時に、日本とバングラデシュ双方の社会課題解決に貢献する壮大な挑戦です。日本にとっては、多様な人材を迎え入れることで、産業の活性化と国際競争力の強化、特に労働集約型産業である飲食業界の人手不足問題に光明をもたらすでしょう。一方、バングラデシュにとっては、若者への専門技術習得機会を提供し、海外での就労経験を通じて、その後の国内経済発展に貢献する人材を育てることになります。ワタミは、教育支援から始まり、今回の人材育成、そして将来的な人材送り出しを通じて、両国間の経済的・文化的交流を深め、持続可能な発展のための強固な懸け橋となることを目指しています。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
ワタミ株式会社
住所
東京都大田区羽田1-1-3
電話番号
03-5737-2288

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。