Newsight Tech Angels、Aptadel Therapeuticsに出資
株式会社Newsight Tech Angels(NTA)は、スペインに本拠を構えるAptadel Therapeuticsに対して出資を行ったと発表しました。この投資は、希少な小児がん、特にユーイング肉腫の治療に向けたアプタマー創薬の取り組みを対象としています。NTAにとって、このスペインの企業への投資は初めての試みです。
ユーイング肉腫とその課題
ユーイング肉腫は、小児と若年成人に影響を及ぼす稀ながんであり、骨や軟部組織に発生します。現在、標準的な治療法は化学療法、外科手術、放射線治療の組み合わせに限られており、どの治療法も身体への負担が大きく、成長過程にある患者には長期的な後遺症を残すことがしばしばあります。患者の数が限られているため、大手製薬会社はこの治療開発に関して積極的に進めにくく、過去数十年の間に治療選択肢がほとんど変わっていない状況です。
Aptadel Therapeuticsについて
Aptadel Therapeuticsは2020年に設立された企業で、スピンオフとして設立されました。彼らは独自のアプタマー薬物複合体(ApDC)技術を活用し、腫瘍細胞に多く発現するEphA2を標的にしたRNAアプタマーを用いて、治療薬を選択的に腫瘍細胞内に届ける技術を研究しています。この技術は、腫瘍への浸透性が高く、転移抑制の作用も持っています。リード製品であるADEL-101は、ユーイング肉腫の原因となる融合遺伝子EWSR1:FLI1をターゲットにしており、細胞や動物モデルの試験において有望な結果を示しています。
スペインのバイオテック産業の成長
今回の出資は、スペインのライフサイエンス産業が記録的な成長を遂げている中で行われました。スペインバイオ産業協会(AseBio)によると、2025年にはスペインのバイオテック企業による資金調達額が過去最高のいくつかになる見込みで、海外投資家からの関心も高まっています。特にカタルーニャ州はバイオテックの主要集積地であり、多くの企業や研究機関が集まっています。
NTAの出資の背景と目的
NTAは、これまで主に米国のライフサイエンススタートアップへの投資を行ってきました。この出資は、スペインでのカンファレンス参加を通じてAptadelの存在を知ったことが契機となっています。Aptadelの技術はユーイング肉腫だけでなく、他の希少がんにも応用可能である旨を確認し、地域の研究機関や患者団体との連携が強力であることにも魅力を感じました。
NTAは今後、シリーズAラウンドおよび臨床試験の進行を支援しながら、日本やアジア地域における提携機会を探ります。公式なサポート体制を整え、Aptadelの革新的な技術がより多くの患者に届けられるよう貢献していく所存です。
NTA CEO瀬尾 亨のコメント
NTAのCEOである瀬尾亨氏は、「バイオテクノロジーの将来は国境を超えた協働によって築かれるし、スペインには優れた研究基盤が整っていることを確信している」と述べています。特に、ユーイング肉腫のような希少疾患においては、アカデミアの成果を実用化に導くための資金提供が重要であり、Aptadelの技術はこれに貢献できるものだと強調しています。