低炭素水素の新たな供給モデルが愛知で始動
2023年、愛知県で豊田通商株式会社、株式会社ユーラスエナジーホールディングス、岩谷産業株式会社の3社が、愛知製鋼の敷地内で再生可能エネルギーを利用した低炭素水素の製造・供給を行う「オンサイト型モデル」の実現に向けて動き出しました。この取り組みは、2030年を目指して開始される予定で、経済産業省からの認定も受けた重要なプロジェクトです。
背景
現在、再生可能エネルギー由来の低炭素水素は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて重要視されていますが、製造や供給にはコストや制度面での課題が多く、普及が難しい状況です。水素社会推進法が2024年10月に施行され、国による支援策が本格化したことで、産業界の連携が強化されることが期待されています。
事業の具体的な内容
本事業では、愛知製鋼知多工場に水電解装置が設置され、電気分解によって水素を製造します。この装置は、トヨタ自動車が製造したスタックを使用し、千代田化工建設が提供するものです。ユーラスエナジーが所有する風力発電所の電力を活用し、オンサイトでの低炭素水素の製造を実現します。
製造された水素は、愛知製鋼の鋼材や鉄素材の加熱炉で、従来の都市ガスに代わって使用される予定です。2027年3月には合同会社が設立され、設備の設計と設置が進められ、最終的には年間約1,600トンの水素が製造・供給される体制を整えます。
カーボンニュートラル実現への貢献
3社は、このプロジェクトを通じて、オンサイト型低炭素水素の供給モデルを構築し、技術の性能向上を図ることで、政府の水素社会の実現に貢献していく方針です。また、この事業は中部圏における水素の社会実装を推進する重要な拠点と位置付けられており、地域の自治体や経済団体とも連携し、カーボンニュートラルの実現に寄与していく計画です。
企業紹介
豊田通商
- - 所在地: 愛知県名古屋市中村区名駅4-9-8
- - 設立: 1948年7月1日
- - 事業内容: 国内外の取引や建設業など
- - ホームページ: 豊田通商
ユーラスエナジー
- - 所在地: 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
- - 設立: 2001年11月1日
- - 事業内容: 発電事業など
- - ホームページ: ユーラスエナジー
岩谷産業
- - 所在地: 大阪府大阪市中央区本町3-6-4
- - 設立: 1945年2月2日
- - 事業内容: エネルギー事業、産業ガスなど
- - ホームページ: 岩谷産業
このように、愛知県で進められる低炭素水素の取り組みは、地域のエネルギー効率化を促進し、持続可能な未来への第一歩となることでしょう。