津波堆積物の研究
2026-01-07 14:17:31

北海道の津波堆積物が明かす超巨大地震の新たな真実

近年、地震による津波のメカニズムを解明する研究が進められており、その中で特に注目を浴びているのが、北海道太平洋沿岸地域での津波堆積物の調査である。北海道沖の千島海溝南部では、過去に数回のマグニチュード8クラスの大地震が繰り返し発生していることが知られている。それらの地震の中でも特に、17世紀および13~14世紀に発生した2つの超巨大地震の特性についての研究が進められた。

国立研究開発法人産業技術総合研究所と弘前大学の研究チームは、新たに津波堆積物の調査を行い、それと同時に津波の浸水シミュレーションを活用して、これらの地震の震源特性を推定することに成功した。津波堆積物は、津波が陸上に運んできた堆積物であるため、過去の地震活動を理解するために非常に重要な証拠となる。

研究結果によると、13~14世紀の津波堆積物の分布は17世紀のそれとは著しく異なり、これによりそれぞれの地震が異なる破壊様式とすべり量を持っていることがわかった。具体的には、13~14世紀の地震は根室沖で大きなすべり量を持ち、17世紀の地震は十勝沖においてそれと異なるすべり分布を示していることが判明した。

この発見は、同じような規模の地震が繰り返し発生しているという先入観を覆すものであり、千島海溝南部では多様な地震が連続して起こっている可能性を示唆している。津波と地震の関係を深く理解することは、防災の観点からも非常に重要だ。今後、これらの研究が進むことで、過去の地震のメカニズムをより正確に把握し、南部千島海溝での将来の地震活動を評価するうえで重要な情報が得られることが期待されている。

さらに、研究チームは、津波堆積物を識別するために、火山灰層の分布や放射性炭素年代測定、堆積物中に含まれる砂の変化を調査し、詳細な分布マップを作成した。これにより、過去の津波活動や地震の影響をより詳細に分析し、未来のリスクを予測する材料が積み上がっていく。

津波の浸水シミュレーションも通常の地質調査と並行して行われ、異なる断層モデルを考慮に入れた計算が行われた。その結果、13~14世紀の地震に関しては全体の破壊範囲は300 km×100 km、すべり量はそれぞれ根室沖で10m、十勝沖で5m、モーメントマグニチュードは約8.6であることがわかった。一方、17世紀の地震の推定では、破壊範囲は300 km×130 kmに及び、より大規模なすべり量が分析結果から示されている。

以上の研究成果は、津波による防災対策の向上に寄与し、地域の安全性を高めるための具体的な指針としても機能します。過去の記録から学ぶことは今後の災害対策においても極めて重要であり、さらなる研究が求められるところです。これからも、引き続き現地の調査が行われ、超巨大地震や津波の正体に迫る研究が続けられます。


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