島津製作所とMI-6、AI技術での協業を発表
近年、材料開発分野ではデータの収集と解析が重要な課題として浮上してきています。株式会社島津製作所とMI-6株式会社は、分析機器と人工知能(AI)の連携による研究開発の革新を目指し、基本合意書を締結しました。この協業は、デジタル技術やロボティクスを駆使して、材料開発における新たなソリューションを模索するものです。
研究開発の革新を促す協業の背景
近年の材料開発では、多様な測定手法とデータ形式が存在し、それらの適切な活用が意思決定の鍵を握るようになっています。しかし、実際の実験環境へのデジタル技術の導入には多くの課題があるのも事実です。特に、分析装置との連携をスムーズに行うためには、高度なシステム設計が要求されます。
島津製作所は、分析装置の開発において長い伝統と実績を持ち、その技術力は業界トップレベルです。一方で、MI-6はAIを活用した「miHub®」というプラットフォームを用いて、研究の自動化と効率化を推進しています。この二つの企業が手を組むことで、新たな価値を創出できると期待されています。
協業の具体的な取り組み
両社が目指す協業は、次のようなテーマを中心に進められます。
1.
分析装置とデータ解析基盤(miHub®)の統合
両者の強みを生かしたシステム開発を行い、データの流れを円滑にします。
2.
測定データの高度解析
AIを駆使したデータ解析により、研究者が新たな知見を得られる環境を提供します。
3.
最適条件探索の自動化
効率的な実験条件を見つけ出すための支援を行い、研究のスピードを加速させます。
これらの取り組みは、研究者が本質的な問題解決に専念できるようシステムを設計することに寄与します。実験データの蓄積と共有が促進され、組織内の知識活用が進むことで、研究プロセス全体の高度化が実現します。
今後の展望
両社は現在、分析装置とAI解析技術を接続するためのProof of Concept(PoC)を実施する準備を進めています。実際の現場で使えるソリューションを段階的に検討し、研究開発の現場で必須となる新しいアプローチの実装を目指しています。
この協業は、単なる技術の融合に留まらず、材料開発というフィールド全体の発展を加速する可能性があります。両社は、自らの得意分野を結集し、未来の材料開発に向けた新たな道を切り開くことを目指しています。
会社情報
MI-6株式会社
- - 代表者: 木嵜基博(きざき もとひろ)
- - 設立: 2017年11月17日
- - 所在地: 東京都中央区日本橋小舟町8-13
- - 事業内容: マテリアルズ・インフォマティクスやロボティクス技術の応用サービスおよびソフトウェアの研究開発
- - 公式サイト: MI-6
株式会社島津製作所
- - 代表者: 山本靖則
- - 創業: 1875年3月
- - 所在地: 京都市中京区西ノ京桑原町1番地
- - 事業内容: 分析計測機器、医用機器、産業機器などの製造・販売
- - 公式サイト: 島津製作所