企業とプロスポーツクラブの関係を分析した研究が学会賞受賞
新潟医療福祉大学健康スポーツ学科の山本悦史講師と立命館大学の中西純司教授は、日本スポーツ産業学会の「令和6年度 学会賞」を受賞しました。この受賞は、企業とプロスポーツクラブの関係性に迫る興味深い研究成果に対する高い評価の表れです。表彰式は2023年7月12日に行われました。
研究の背景と目的
本研究の目的は、企業とプロスポーツクラブがどのようにしてパートナーシップを形成し、強化していくのかを理解することです。具体的には、Jリーグに所属する水戸ホーリーホックとオフィシャルパートナーであるJX金属とのケーススタディを通じてその過程を分析しました。さまざまな調査手法を駆使し、関係者へのインタビューや長期間の参与観察を行うことで、企業側の意思決定プロセスやクラブに対する共感の実態を明らかにしました。
研究の概要と発見
資源動員と共感の構築
研究では、パートナー企業がプロスポーツクラブとの契約を締結する際、社内での「資源動員を正当化するプロセス」が重要であることが判明しました。この正当化には、企業の組織特性やオピニオンリーダーの存在が影響を及ぼします。また、企業がクラブとの関係を深める際には、クラブのブランドイメージや経営理念に対する共感が鍵を握っていることが示されました。
理由の多様性と価値の創造
さらに、企業における資源動員正当化の過程には、さまざまな理由が共存していることが発見されました。多様な利害関係者との共通価値を創造することによって、これまで得られなかった新たな経営成果が期待できるとの見解も示されています。たとえば、企業の認知度や地域社会での信頼関係の向上が挙げられます。
研究結果の意義
この研究は、プロスポーツクラブの経営において、ターゲットとなる企業の内部における資源動員の正当化プロセスについて理解を深める重要性を強調しています。また、企業がクラブとの関係を強化するためには、資源を動かす理由を効果的に生み出すことが必要であることも指摘されています。
論文情報
この研究の詳細は、論文「プロスポーツクラブ経営におけるパートナーシップ形成・強化要因の質的分析:オフィシャルパートナー企業の意思決定プロセスに注目して」として、スポーツ産業学研究第34巻第2号に掲載されています。
研究者情報
- - 氏名:山本悦史
- - 所属:新潟医療福祉大学健康スポーツ学科
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