薬剤耐性菌対策の現状
2018-01-24 10:01:01
薬剤耐性菌への製薬企業の取り組みを徹底分析!進む新薬開発とリスク管理
薬剤耐性菌への製薬企業の取り組みを徹底分析!
最近、オランダのアムステルダムにて、薬剤耐性菌(AMR)に対する製薬各社の取り組みを独立に分析した報告書が発表されました。この報告書では、薬剤耐性の拡大を抑えるための企業の取り組みが比較され、特にジェネリック医薬品メーカーの重要性が強調されています。
報告書のポイント
この分析によると、薬剤耐性の増加に対抗するため、製薬会社は新薬開発だけでなく、販売戦略や多様な施策を講じています。特に、過剰な抗生物質の売込みを防ぐための営業担当者へのインセンティブの廃止や、工場で排出される抗生物質の濃度制限、さらにはスーパー耐性菌の動向を追跡するための努力が挙げられました。
進行中のサーベイランスプログラム
日本は世界で最も多くの薬剤耐性サーベイランスプログラムを進めている国の一つであり、シオノギ製薬はこの分野で唯一、報告書の比較基準をクリアした日本の製薬会社です。報告書では彼らが抗真菌薬の臨床開発を行っている点や、営業に関する政策での成果が評価されています。
大手企業の取り組み
なかでも、GSKやジョンソン・エンド・ジョンソンといった大型製薬会社の取り組みは特筆すべきものがあります。GSKはAMRの課題に対して最も多くの抗菌薬を開発中であり、その活動が評価されています。また、ノバルティスやファイザーも重要な役割を果たしています。
バイオテクノロジー企業としては、エンタシスが特に優れた事例として採り上げられ、候補薬剤のアクセス向上に向けた活動が高く評価されています。
ジェネリック医薬品の重要性
ジェネリック医薬品企業は、現在流通している抗生物質の大部分を提供しているため、薬剤耐性の問題に対して重要な役割を担っています。特に、マイランという企業は、その透明性や持続可能な価格戦略において高評価を得ています。ジェイアスリー・K・アイヤー氏は、「製薬企業がAMR問題に対処することで、非常に大きな影響を与える可能性がある」と述べています。
日本の現状と期待
日本国内においては、シオノギ製薬が薬剤耐性ベンチマークで唯一評価された企業であり、他社との差別化が明確です。日本における抗真菌薬の耐性増加が進んでいる状況を踏まえ、さらなる研究開発が期待されています。また、抗生物質の適正使用を促すため、製薬会社と医療機関の連携が求められています。
結論
薬剤耐性菌の問題は、未来において感染症の治療を非常に難しくする可能性を秘めていますが、さまざまな企業がそれぞれの立場で重要な役割を果たすことで、対策が進められています。今後も製薬業界の動向を注視し、さらなる改善策が講じられることに期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
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医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)
- 住所
- Naritaweg 227A 1043 CB, Amsterdam The Netherlands
- 電話番号
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