双日、オーストラリアのエネルギービジネスを拡大
双日株式会社は、オーストラリアにおいて電力小売および太陽光発電、蓄電池の設計・施工事業を運営するNext Green Group Pty Ltd(NGG)の株式を取得し、連結子会社化したことを発表しました。これにより、双日はグローバルな視点でエネルギーソリューションを強化する狙いがあります。
シナジー創出により展開力向上
NGGの買収により、双日グループ内のEllis AirやClimatechとの協業が可能となり、空調設備の導入からエネルギー供給、エネルギーマネジメントの統合的なサービスを提供することで、より複合的なエネルギーソリューションを展開していくことが可能です。
オーストラリアでは、建物の環境性能が厳しく評価されるため、省エネへの関心が非常に高まっています。特に、商業施設や高層ビルにおいては、中央集約型の暖房・換気・空調(HVAC)システムの導入が進んでおり、この分野でのデマンドも増加傾向にあります。
市場背景と成長の機会
オーストラリアのエネルギー市場は、1人当たりの年間エネルギー消費量がアジア・オセアニア地域で最高水準にあり、電力料金の要素として系統費用が約45%を占める状況です。このため、屋根置き太陽光発電や蓄電池の導入が進むことで、コスト削減を図る企業のニーズが高まっています。
特に、PPA(電力購入契約)モデルによるBTM(Behind-the-Meter)サービスは、初期投資が不要なため、年率12%以上の成長が期待できる注目の分野です。これにより、NGGは特に中小企業をターゲットにした電力小売事業を展開し、持続可能なエネルギー供給の実現を目指しています。
双日の将来的展望
今後、双日はNGGを通じて、クリーンエネルギーを供給するとともに、低炭素化、脱炭素化に資するさまざまなソリューションを提供することで、エネルギートランジションを推進していく考えです。また、エネルギーコストの最適化や省エネに関するニーズに応じたサービスを展開し、経済的な利益をお客様に還元していくことを目指しています。
この買収は、エネルギー業界での競争力を高めるだけでなく、双日が持つ多様な事業とのシナジーを活かし、持続可能な社会の形成に貢献する重要な一歩となるでしょう。