「LGBTQ+と旅の未来を考える共創ワークショップ」レポート
2025年9月、ブッキング・ドットコムが東京都大手町にて「LGBTQ+と旅の未来を考える共創ワークショップ」を開催しました。このイベントは、LGBTQ+当事者やアライ、NPO、メディア、観光事業者、自治体、学生などが一堂に集まり、学びや意見交換を通じて、日本の観光における多様性の受容を促進することを目指しました。
イベントの概要
ワークショップはハイブリッド形式で行われ、会場参加者とオンライン参加者が自由に意見を交わすことができました。これにより多様な視点が集まり、参加者それぞれが体験した旅のエピソードや、その中で感じたことを共有しました。
調査から見えるLGBTQ+旅行者の現状
ブッキング・ドットコムが実施した調査によると、LGBTQ+コミュニティからの旅行者の37%が、旅行計画において自身のアイデンティティが影響を与えていると答えています。また、旅行中に「本当の自分でいられるか」が非常に重要な要素であるとする回答者の割合は46%に上り、安心して旅を決定するための環境の重要性が浮き彫りとなりました。
こうした背景から、ブッキング・ドットコムは2021年に「Travel Proud」プログラムを開始し、宿泊施設におけるインクルーシブなおもてなしを学ぶための無料オンライントレーニングを提供しています。このプログラムを通じて、LGBTQ+旅行者が直面する課題に対する理解を深められる様々な取り組みが進められています。
多様な体験談が語られるトークセッション
イベントでは、様々な背景を持つゲストが「印象に残っている旅」と「旅を通しての自分の在り方」について話しました。ブッキング・ドットコムの日本代表であるルイス・ロドリゲスさんは、奄美大島への旅行を通じて、温かく迎えられた経験を語り、旅の重要性について強調しました。
さらに、ハワイ在住のコンテンツクリエイター、オウィン・ピアソン氏は、日本文化に感銘を受けた体験を披露し、様々な妨げが少ない空間の重要性を訴えました。
認定特定非営利活動法人ReBitの理事、中島潤氏は、小さなペンションでの宿泊経験を通じての自然体でいられる関係の重要性についてお話しされました。内山穂南氏も、セパレートタイプの男女兼用浴衣や、個室の温泉設備に感動した体験を共有し、多様性を受け入れる工夫を尊重することの重要性を強調しました。
国際的視点と文化的背景の両立について
ワークショップでは、LGBTQ+旅行者を含む多様な背景を持つ訪日外国人観光客の受け入れについてのディスカッションも行われました。日本ならではの文化的な特性と多様性に対する配慮をどう両立させるかという話題は、参加者間で活発に議論されました。特に宿泊業界が向き合う課題や、よりよい環境を整えるためにどう進んでいくかが焦点となりました。
結論
ブッキング・ドットコムは、誰もが安心して旅行を楽しめる環境づくりを目指し、引き続き様々な取り組みを進めていく方針です。このワークショップを通じて得られた知見は、今後の観光業の発展にも大いに寄与することが期待されます。多様な旅の受容性を進めるために、今後も積極的な議論と実践が求められています。