動物医療への新たな潮流、Smart Eye Cameraの導入が実現
慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業であるOUI Inc.と株式会社リベルワークスは、協力して新たな動物医療機器「Smart Eye Camera」(SEC)を開発しました。このたび、SECが正式に動物用医療機器としての登録を果たしたことが発表され、獣医療の現場における眼科診断が一層進化することが期待されています。
Smart Eye Cameraとは?
Smart Eye CameraはiPhoneに取り付けて使用する眼科アタッチメント型医療機器です。OUI Inc.が開発したこの装置は、国内外約60カ国で医療現場に導入され、視覚診断の支援を行っています。この革新的な医療機器は、仕様の柔軟性とポータブル性を活かし、動物医療にも応用されることになりました。
獣医療の現場での活躍
獣医療分野においても、眼科の専門医が数少ないため、獣医師の負担が大きく、地域によっては専門的な眼科診療を受けることが難しいことがありました。このような状況を改善するため、SECを使用することで、獣医師は遠隔で専門的な診断を受けることが可能です。
SECには、眼を観察するだけでなく、撮影した画像をクラウドにアップロードする機能もあり、眼科専門医と迅速に情報を共有できます。これにより、動物の疾患を早期に発見し、網膜の異常や白内障といった病気への迅速な対処が可能になります。
動物医療の未来
動物医療のニーズが高まる中、OUI Inc.とリベルワークスは、さまざまな医療機関や関係者と連携し、SECを通じてより多くの動物が適切な治療を受けられる環境を整えることを目指しています。特に被災地や地方、移動が難しい動物の飼い主にとって、SECの導入は大きな助けとなるでしょう。
特に、愛玩動物が眼の疾患にかかることは、飼い主にとっても大きな心配事となります。視覚障害を持つ動物はQOL(生活の質)の低下に直結し、その治療が遅れることで余計に深刻な事態を招くことがしばしばです。SECの導入により、こうした動物たちがより良い支援を受けられ、高品質の生活を送れる可能性が広がります。
これからの展望
今後、OUI Inc.とリベルワークスは国内外での医療機関や医療関係者との協力を進め、ヒトだけでなく、動物の医療においても視覚障害の克服を果たすべく取り組んでいく方針です。また、各種技術革新を活かし、医療機器のさらなる開発に努める姿勢を示しています。
今後の動物用医療機器の進化による現場改善と、動物たちの健康を支える新たな取り組みに注目です。