日本酒の未来とIoT
2022-03-31 19:00:38
日本酒の未来を切り開く!蔵楽がIoT活用で味覚解析実験開始
日本酒の未来を拓くIoT技術
日本の酒造りは、一つの文化であり、その美味しさや多様性は世界中で愛されています。しかし、約1,200の酒蔵が存在する中、国内での日本酒の需要は低迷しており、そのため酒蔵の数が年々減少しています。この現状を打破するために、酒蔵支援スタートアップ「蔵楽」がKDDIとともに、IoT技術を駆使した実証実験を始めました。この実験は、日本酒の味覚嗜好性を解析し、中小酒造の新たな市場開拓を目指すものです。
実証実験の背景
現在、日本酒の酒蔵の99%以上を占める中小酒造は、商品開発や販路開拓のために、人的コストがかかる試飲会を開催しながらデータを集めることが難しい状況にあります。この解決策として、蔵楽は日本酒IoTを利用した革新的な方法を提案。当実証実験では、インターネットに接続された日本酒試飲専用ディスペンサー「のまっせ」を活用し、参加者の嗜好性に関するデータを収集します。
「のまっせ」とは
「のまっせ」は、シンク社が開発した日本酒試飲専用のIoTディスペンサーです。この装置を使うことで、試飲した日本酒の銘柄、飲み量、試飲した時間といった詳細なデータを自動的に収集することができます。このデータは、さらに参加者の属性情報と連携させることで、より詳細な嗜好性の解析が可能になるのです。
実証実験の手順
実証実験は「名酒センター」で、特定の時期に開催され、以下の手順で行われます:
1. 参加者登録:名酒センターに入店し、専用アプリで参加条件を確認。
2. 属性情報の入力:アプリに性別、年代、出身地、居住地の情報を入力し、QRコードを生成。
3. 試飲体験:「のまっせ」にQRコードをかざして、異なる製造方法の日本酒を試飲。
4. 嗜好性のデータ収集:試飲後に嗜好性データを解析し、属性別の情報を蓄積。
5. データ解析:蓄積されたデータを使い、日本酒の市場動向や嗜好性を把握。
協力企業と今後の展望
蔵楽、シンク、サンデンRS、KDDI、KDDI総合研究所が連携し、この実証実験を通じて必要なデータや知見を収集し、日本酒の地域産業を支援する姿勢を示しています。このデータは日本の酒造業界だけでなく、地域の活性化にも大いに貢献することでしょう。
若い世代を中心とした新たな日本酒市場の開拓が求められる中、IoT技術を駆使したデータ解析が、酒造の未来を変える一手となることが期待されています。
日本酒文化の継承と革新が同時に進むこの試みから目が離せません。
会社情報
- 会社名
-
株式会社 蔵楽
- 住所
- 東京都品川区東中延2-7-8東中延HK5-101
- 電話番号
-
090-3420-9175