シェアハウスの食卓から世界へつながる支援
全国各地に26棟、650室のシェアハウスを持つ株式会社絆家(代表取締役:平岡雅史)は、NPO法人TABLE FOR TWO International(以下、TFT)との連携により、「食卓を囲むたび、世界の子どもの未来を支える」という目標のもと、2022年10月から活動を始めました。この活動を通じて、日本のシェアハウスコミュニティが如何にして国際的な食支援につながるかを考察します。
シェアハウス=新たなコミュニティの形
シェアハウスには、住人同士が交流し、共に食事を楽しむ場を提供するという特性があります。絆家では、この特性を生かし、「シェアごはん会」を開催しています。この集まりに参加することで、住人は友人や仲間と楽しい時間を過ごすと同時に、1人の参加につき20円がTFTに寄付され、アフリカやアジアの子どもたちに給食として届けられます。2025年11月の時点で、総計7,238食の寄付が実現しており、これはシェアハウスで行われた食事会を通じて生まれた成果です。
「自分たちの楽しみが誰かの助けになる」、このメッセージが広まり、住民同士のつながりが強化されています。特に、コロナ禍を経て、人と人とのつながりが求められる時代背景の中で、この“優しい循環”はますます重要な意義を持っていると言えるでしょう。
日本国内の孤立問題に対処
日本では高齢化や単身世帯の増加が進み、孤独や孤立が深刻な社会問題として浮き彫りになっています。内閣府の調査によれば、10〜20代の若年層の約3人に1人が「相談できる人がいない」と答えており、生活の中での“第三の居場所”の必要性が高まっています。これに対抗する形で、絆家では住民同士が互いに助け合い、支え合うコミュニティを育む努力をしています。
一方で、世界的には飢餓や栄養不均衡の問題が解決される兆しは見えていません。2025年9月末の時点でのTFTの支援給食数は1億1,482万食を超え、今後も国際的な食支援の需要は高まり続けるでしょう。このような状況の中で、日常生活の中で人とつながり、同時に支援活動を行える仕組みが求められています。
活動が評価される背景
これらの活動は、TFTが主催する「TABLE FOR TWOアワード2023」でアイデア部門大賞を授与されるなど、特に住民主体のコミュニティと国際支援をうまく結びつけたモデルとして高く評価されています。TFT自身も、この流れを受け、国内外の参加型施策を拡充させ、新しい社会参加の形を生み出しています。
絆家の目指す未来
絆家シェアハウスは「ともに、暮らす、それ以上」というスローガンのもと、ただ住む場所を提供するのではなく、豊かな出会いと体験を提供するコミュニティの形成を目指しています。また、習慣化プログラム、住まいコミュニティの学校、シェアハウス留学などの多彩なプログラムを展開し、住まいが人と人をつなげる場となるよう取り組んでいます。
将来的には、シェアハウスの価値を単なる住まいから「社会のハブ」としての役割へと広げていくことを目指しています。特に、若者や地域住民、外国人等が集まる共生的なコミュニティの形成をさらに進めていくことで、優しい行動の連鎖を全国に拡大させることを計画しています。
結論
このように、絆家では、シェアハウスを通じた食卓のつながりを活かし、国内外で困難に直面する人々への支援を行っています。日常生活の中での小さな優しさの循環が、大きな社会的なインパクトを持つことを示しています。今後も、この取り組みが広がり続けることを期待し、地域社会へのさらなる貢献を続けていく所存です。