配電工事向けアシストツールの新展開
株式会社ダイドーが株式会社関電工と共同で、配電作業の効率化と安全性向上を目指した新たなアシストツールを開発しました。このツールは、特に架空配電線工事における作業環境の改善を目的としており、実際の作業現場への導入が進められています。
アシストツールの設計背景
ダイドーは2019年にアシストスーツTASKシリーズを発売し、その際に電力を使わないタイプのアシストスーツを展開してきました。この技術に着想を得て、関電工が肉体的な負担を軽減するために、ホットスティック(絶縁操作棒)の作業改善を考え、このプロジェクトが始まりました。2020年からは共同開発が行われ、今回はその成果が披露されました。
ツールの特徴
開発されたアシストツールは、間接活線作業時におけるホットスティックの操作力を補助します。具体的には、作業者が使う際にホットスティックの重量バランスをとれるよう設計されており、また作業ポジションに応じて角度とスライドの固定が可能です。これにより、肉体的な負担は軽減されると同時に、作業の安全性も向上します。また、ホットスティックを2本使用する場合や重い工具を使う際にもアシストが働き、労働負荷の軽減を実現しています。
小型ロープ巻取機の活用
さらに、株式会社ダイドーは「小型ロープ巻取機」も開発しました。この機械は、一般的な充電ドライバーを使用して、バイパスケーブルや電線の延線作業をアシストします。地上での作業だけでなく、電柱上での巻き取り作業も可能で、軽量設計にもかかわらず、非常に高い巻上力を発揮します。この機器の取り扱いには特別な業務教育が必要ですが、作業効率を大幅に改善することが可能です。
作業環境の改善に向けて
関電工からも、作業環境の改善のためには新しい工具の導入が必要であるとのコメントが寄せられています。現在、配電線路はそれぞれ異なる設備が存在し、省力化のためのロボット導入には課題が多いとされています。特に、電柱上での作業は人力に依存する部分が大きく、高齢化や若手人材の確保が問題視されています。今回のアシストツールは、こうした現状を踏まえた上で開発されたものです。
これにより、作業員は安全に、そして効率的に作業を進めることができるようになることが期待されています。
引き続き新たな製品を
今後もダイドーは、作業現場の改善に資する製品の企画・販売を進めていくとしています。装着型、非装着型問わず、様々なニーズに応える製品を目指していくことを表明しました。
企業情報
株式会社ダイドーは、1951年に設立され、アシストスーツなどを中心に展開しているメーカーです。これからも作業者の負担を軽減するための革新的な製品を提供していくことでしょう。