伝統工芸品をもっと日常に取り入れる『LIFT』のご紹介
日本の伝統工芸品は、その美しさや技術の高さから多くの人々に愛されてきました。しかし、その一方で、新しいライフスタイルの台頭や価格の高さから、日常生活からは遠ざかりがちでした。そこで注目されるのが、2023年3月1日から開始されたレンタルサービス『LIFT』です。これにより、伝統工芸品がより身近で手軽な存在となることが期待されています。
『LIFT』サービスとは?
『LIFT』のサービスは、輪島塗や九谷焼などの日本の伝統工芸品を1ヶ月からレンタルできるという画期的なものです。月額料金を支払うことで、ユーザーは好きなタイミングで選んだ品を自宅で使用でき、返却も簡単です。このサービスは最低利用期間の縛りがないため、自分のライフスタイルに合わせて気軽に利用できます。さらに、5ヶ月目までは月額料金が下がっていき、6ヶ月目からはその品を所有して楽しむことも可能です。
使い方の手軽さ
公式サイトから簡単に商品を選ぶことができ、LINEを通じて発送予定日や支払いタイミングの通知を受け取ることもできます。この手軽さが多くのユーザーに支持されています。特に、伝統工芸品に馴染みのない方でも、スマホ一つで簡単に気軽に利用できる点が魅力です。また、もし商品を破損してしまった場合でも、翌月の料金で済むため、一層安心です。
伝統工芸品の現状
実際、日本の伝統工芸品業界は厳しい状況にあります。1998年をピークに、生産額と職人の数は激減しています。特に輪島塗の出荷額は、2002年の220億円から2020年には143億円にまで落ち込んでいます。このような背景から、両親や祖父母から受け継いできた技術や文化が失われることが懸念されています。そこで、
@田谷昂大代表の「もっと気軽に伝統工芸品を使ってほしい」という理念から、LIFTのサービスが生まれました。
消費者のニーズ
最近の調査では、30代から50代の層で伝統工芸品の購入経験がある人が多く、その関心は根強いことがわかりました。ただし、高額なために購入をためらう人も多数います。そこで、1点から、1ヶ月という短期間からでも気楽に楽しめるレンタルサービスは、有望な解決策と言えるでしょう。特に、職人が手間ひまかけて作り上げた工芸品を実際に手に取ることで、温かみを感じてもらう良い機会になります。
飲食店の展開とレンタルの利用
田谷昂大代表は、2021年に飲食店『CRAFEAT』を開業し、そこでも輪島塗や九谷焼などの工芸品を使用しています。『CRAFEAT』では、田谷漆器店が自信を持って提供するオリジナルの器で料理を提供し、来店者にその魅力を直接伝える場ともなっています。このようにレンタルサービスを利用することで、初期投資を抑えながらも伝統工芸品の導入が容易になり、飲食業界でも活用が期待されています。
会社の背景
『LIFT』を運営する株式会社The Three Arrowsは、石川県輪島市で200年以上の歴史を持つ田谷漆器店から生まれました。田谷昂大代表は、家業に従事することに当初は消極的でしたが、輪島塗に対する再認識を行い、現代のニーズに応える形で事業を展開しています。国内外への販路拡大を図りながら、例えばシンガポールやアメリカ市場への進出も試みています。これは、伝統工芸品が国境を越え、広く受け入れられることの証でもあります。
まとめ
『LIFT』は、ただのレンタルサービスではなく、伝統工芸品を活用し、持続可能な形でその文化を広めるための新たな挑戦です。気軽に借りられることで、多くの人にその魅力を感じてもらい、最終的には日本の工芸品を日常生活に取り入れてほしいという願いが込められています。この新しいサービスが、伝統工芸品の未来を明るく照らす一助となることを願います。