「SynWA project」とは?
電通、電通デジタル、LINEヤフーの三社が共同で発足させた「SynWA project」について解説します。本プロジェクトは、LINEヤフーが持つビッグデータと電通、電通デジタルの知見を組み合わせ、企業の広告効果を可視化する新たな分析ソリューションを提供することを目的としています。「SynWA」には、相互のデータを「同期」する意義と、三社間での「相乗効果」を促進するとの願いが込められています。
背景とニーズの変化
近年、消費者のオンライン行動は多様化し続けています。企業はリアルタイムかつ正確な顧客インサイトを把握することが求められており、それに対するデータ分析のニーズは高まっています。電通と電通デジタルは、2019年から旧ヤフーとの共同分析プロジェクト「HAKONIWA」をスタートさせ、2020年には旧LINEとも連携して「LINE DATA SOLUTION」を推進してきました。
このような経緯を受け、「SynWA project」では、以前の取り組みの成果を活かし、さらに進化したデータ分析を実現します。
データ活用の仕組み
具体的に「SynWA project」では、電通や電通デジタルが持つテレビ視聴やアンケートデータなどをLINEヤフーに提供します。これにより、LINE公式アカウントやYahoo! JAPANの検索・購買データと掛け合わせることで、より詳細な顧客分析が行えます。また、企業が所有するファーストパーティデータ(1st Partyデータ)との統合により、顧客の理解をさらに深めます。
このアプローチにより、企業はマーケティング施策の立案から広告配信までを一貫して行えるようになり、潜在顧客へのアプローチから購買者層の顧客生涯価値(LTV)向上までのコミュニケーションを強化できます。
今後の展望
「SynWA project」では、広告効果の測定、ターゲティングの最適化、顧客インサイトの分析など、企業のニーズに応じた最適なソリューションを提供していく予定です。三社のデータ活用によって、顧客のマーケティングニーズに合わせたサービスの提供が可能になり、企業の持続的な成長を支援することを目的としています。
輪を広げるプロジェクト
「SynWA project」の成功は、単なるデータの集約にとどまらず、マーケティングのパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めています。電通と電通デジタルは、すでにデータクリーンルームを活用した分析・コンサルテーションにおいて、年間1000件以上、累計3000件を超える実績を持っています。これらの知見を活用し、データドリブンなマーケティングの未来を切り開く一助となるでしょう。
このプロジェクトがどのように発展し、業界に影響を及ぼすのか、今後の進展から目が離せません。