宇宙輸送の未来を見据えた報告会
2025年11月4日、将来宇宙輸送システム株式会社(ISC)が主催する「次世代型宇宙港ワーキンググループ(NSP-WG)」の報告会が開催されました。このイベントはアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2025」の一環として行われ、JFEエンジニアリング株式会社等の出席がありました。
次世代型宇宙港の重要性
ISCは2040年代に「完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)」を用いた高頻度宇宙輸送の実現を目指しています。そのためには、新たな宇宙輸送を支える拠点とされる次世代型宇宙港(NSP)が不可欠です。2024年8月から、18社と1大学のメンバーがワーキンググループを構成し、1年以上にわたり次世代型宇宙港に関する議論を重ね、計22回の会合を行いました。
主要構成要素
報告会では、次世代型宇宙港の主要構成要素として以下の3点が設定されました。
1.
陸上拠点: ロケットの整備や燃料供給、乗客用ターミナル施設の整備が行われる場所。
2.
洋上発射拠点: ロケットを打ち上げるための場所。
3.
洋上滞在拠点: ロケット搭乗前に乗客が滞在できる施設。セキュリティが整っていることも重視されています。
この宇宙港は、単なるロケットの打上げ・着陸場だけでなく、観光や教育、研究など多様な利用を想定しています。
コンセプト模型の披露
ワーキンググループでは、次世代型宇宙港のコンセプト模型も発表されました。モデルは、ロケットの発射と着陸に必要な施設に加え、宿泊や教育、商業機能を備えた大規模な陸上エリアをデザインしました。また、洋上打上げを考慮した発射船や滞在施設、および高頻度宇宙輸送に必要なエネルギー設備も含まれています。
JFEエンジニアリングの役割と展望
JFEエンジニアリング株式会社では、宇宙ロケットに必要な極低温燃料供給や打上関連設備の検討を行い、プロジェクトに貢献しています。今後も、同社はLNG基地建設での経験を活かし、宇宙関連事業の展開を進めていく予定です。
まとめ
次世代型宇宙港は、宇宙旅行を一般の人々にも実現させる可能性を秘めており、その議論は今後ますます重要性を増していくでしょう。日本の宇宙産業の未来を担うプロジェクトとして、注目を集めています。宇宙へのアクセスが身近に感じられる未来が、少しずつ近づいているのかもしれません。