環境に優しい新技術の開発へ向けて
2025年9月2日、株式会社クオルテックが大阪府堺市に本社を構え、立命館大学と共同で新たな研究開発拠点を開設しました。このプロジェクトは「MAPプロジェクト」と呼ばれ、環境負荷を軽減する次世代めっき技術の開発に重点を置いています。特に立命館大学の高橋勲客員教授との連携により、今後の研究が加速することが期待されています。
研究の目的
クオルテックの研究チームは、独自に開発した「ミストめっき法」を導入することで、従来のめっき技術では実現が難しい絶縁体上での金属成膜にチャレンジします。この方法では、大量の廃液を生じる従来のプロセスを改善し、さらに水を大幅に節約できることから、環境負荷の少ない新しい技術が目指されています。
新たな成膜技術の利点
ミストめっき法による成膜技術の導入により、例えばガラスや樹脂、セラミックといった絶縁体に、銅やニッケル、クロムなどの各種金属を直接オンすることが可能になります。従来は高価で使いにくかった貴金属の使用を大幅に削減し、製品のコストパフォーマンスを高めることが期待されています。
具体的な研究内容
新しい研究では、銅、ニッケル、クロムを始めとした金属が絶縁体上で成膜され、その特性や密着性について評価されます。また、貴金属の代替品として、安価な基材に貴金属をコーティングした製品の開発も予定されています。この場合、貴金属の使用量を通常の10分の1以下に抑えることができるとされています。
研究開発の体制とスケジュール
クオルテックでは、5か年計画に基づき、上記の研究を進めていく方針です。これにより、持続可能な技術が早期に実現し、環境問題解決に寄与することが期待されます。開所式には、クオルテックの代表取締役社長である山口友宏氏や新規事業開発室の森本孝貴氏、さらに立命館大学の高橋勲教授が出席し、今後の研究に向けた意気込みを語りました。
会社概要
株式会社クオルテックは、半導体や電子部品の不良解析、信頼性試験の受託、レーザ加工や表面処理技術の微細加工を行っている企業です。
- - 代表取締役社長: 山口友宏
- - 本社所在地: 大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地
- - HP: クオルテック公式サイト
新しい環境に配慮した技術の確立は、業界全体の方向性を変える可能性があり、今後の展開が非常に楽しみです。環境技術の革新を求める声が高まる中で、クオルテックの取り組みがどのように進展していくのか注目が集まります。