インターシステムズとホスピタルインテリジェンスが新たな医療データ基盤を提供
インターシステムズジャパン株式会社と株式会社ホスピタルインテリジェンスが提携し、医療向けデータプラットフォーム「InterSystems IRIS for Health™」を利用したヘルスケア統合情報基盤(Integrated DATA Foundation、以下IDF)の提供を開始しました。この革新的な取り組みは、医療データの活用を促進し、病院のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援することを目的としています。
医療データの課題とIDFの解決策
病院内では、電子カルテやその他の医療情報システムから得られるデータが異なる形式で分散して蓄積されており、自由にアクセスし利用することが難しい状況です。このような状態が続くと、医療従事者の業務効率が低下し、情報の断絶による医療サービスの遅れやミスを引き起こす可能性があります。
IDFは、これらの問題を解決するために設計されています。このプラットフォームは、病院内の全ての情報をリアルタイムで収集し、データ要素に分解してデータレイクに蓄積する機能を持っています。また、収集したデータを効率的に利用できるよう、汎用性の高いオープンなデータモデルに変換する仮想DWHやビッグデータに対応したデータマートを提供します。
これにより、医療現場ではExcelやBIツールなどを用いて、必要なデータを迅速に分析したり、アプリケーションを作成したりすることが簡単になります。さらに、IDFは病院外のヘルスケアデータも統合可能であり、地域全体をカバーするデータの連携が実現します。
蒲郡市のデジタル健康プラットフォームに採用
IDFは愛知県蒲郡市の「がまごおりデジタル健康プラットフォーム:がまっと!」事業におけるデータ連携基盤としても採用されています。このプロジェクトでは、健康診断や母子手帳等の行政データ、蒲郡市内の医療機関や介護施設のデータ、さらには市民が個人で管理する健康データが集約され、市民への医療提供の向上を目指しています。
国際モダンホスピタルショウ2025に出展
インターシステムズは2025年7月に東京ビッグサイトで開催される国際モダンホスピタルショウ2025に出展し、IDFに関する詳細を報告する予定です。この場では、蒲郡市民病院のデジタル医療推進室からの事例紹介や、病院内部データを活用した医療DXの進展について説明が行われる予定です。
まとめと今後の展望
ホスピタルインテリジェンスの代表取締役、城 卓志氏は今回のプロジェクトが病院内に散在する非構造化データを集約し、緊急時のバックアップやデータ移行も容易にできる点を強調しました。また、インターシステムズのカントリーマネージャー、林 雅音氏は、データの利活用を促進するこの統合基盤が医療界の課題解決に寄与することを期待しています。
今後、こうした取り組みによって、医療分野におけるDXが進展し、より良い医療提供が実現されることが期待されます。また、導入された技術が地域全体に広がることで、患者様に対する医療の質向上が図られることでしょう。