新技術「RTK-GNSSとIMUによるチルト補正観測」
この度、株式会社ニコン・トリンブルが開発した新しい測量技術「RTK-GNSSとIMUによるチルト補正観測」が、国土交通省が運営する新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました。この技術の導入により、測量作業の効率化や安全性の向上が期待されています。
NETISとは?
NETISは、民間企業が開発した新技術を活用することを目的としたデータベースシステムです。このシステムを通じて、登録技術を提案することで公共工事での工事成績評定に加点が期待できるため、技術の評価が向上します。
RTK-GNSSとIMUによるチルト補正観測の特徴
「RTK-GNSSとIMUによるチルト補正観測」は、IMU(慣性計測装置)を搭載したGNSS受信機を使用し、斜め方向からでも高精度な位置観測を実現する技術です。この技術を活用することで、従来の直立設置方式と比較して、観測の迅速化や経済性の向上が図れます。
1.
経済性の向上
RTK-GNSSを用いたこの観測法は、トータルステーションに依存せず、移動局側だけで全ての作業が行えるため、観測時間が大幅に短縮されます。具体的には、従来の方法と比べて84%の工事時間短縮が見込まれ、経済性も約64%向上します。
2.
観測品質の確保
IMUによるチルト補正技術では、作業員の熟練度によらず均質な観測精度が保たれるため、鉛直位置に依存せず、斜め設置状態においても安定した観測データが得られます。これにより、観測精度のばらつきが解消されます。
3.
作業員の安全確保
従来の三脚や簡易二脚を用いることなく、ポールを傾けて測定地点に先端を合わせるだけで観測が可能です。これにより、立ち入りが難しい場所や危険な環境での作業においても、作業員の安全が確保される利点があります。
まとめ
「RTK-GNSSとIMUによるチルト補正観測」は、測量業界における新たな重要技術として、業務効率を格段に向上させる潜在能力を持っています。今後の導入が期待されるこの技術は、公共工事においてもその威力を発揮し、質と安全を兼ね備えた測量作業の実現に寄与することでしょう。
引き続き、ニコン・トリンブルは先端技術の開発に努め、測量の新たな可能性を探求していきます。