福岡市で進行中のAIを活用した補助金審査の実証実験
福岡市と株式会社グラファーは、業務効率化を目的としたAIを活用した補助金審査の実証実験を実施します。このプロジェクトにより、福岡県内の中小企業が申請する補助金について、審査業務の効率化を図ることを目指しています。
実証実験の背景と目的
近年、中小企業における人材確保や定着は深刻な課題とされています。それを受けて福岡市では、中小企業が従業員の奨学金返還を支援するための「中小企業奨学金返還支援事業」を展開しており、その申請件数は増加傾向にあります。これに伴い、審査業務の負担が大きくなってきており、職員が申請内容と複数の添付書類を目視で照合する作業が求められています。
このような問題に対処するため、グラファーと福岡市はAI-OCR技術を取り入れた実証事業に着手します。AI-OCRとは、手書きの文字や非標準文書を高精度に読み取る光学文字認識の技術で、これにより審査業務の負担を軽減することが期待されています。
実証事業の具体的内容
この実証実験では、申請者がオンラインで提出した添付書類(開業届や社内規定、雇用関係書類等)をAI-OCRを使って自動的にデータ化します。従来のように職員が目視で照合する必要がなくなり、記載漏れや申請データと書類の不整合に対する確認作業が効率的に行われるようになります。また、このプロジェクトでは、福岡市が導入しているデジタル行政プラットフォーム「Graffer スマート申請」とAI-OCRを組み合わせることで、申請から審査までの流れをスムーズにすることを目指します。
検証項目
この実証の中では、以下のような項目について検証が行われます:
- - AI-OCRによる添付書類の読み取り精度
- - 補助金審査での作業時間の短縮効果
- - 申請内容と添付書類間の不整合発見の容易さ
- - 審査業務への適合性や運用面での有効性
これらのデータを元に、今後の審査業務に求められる新たな方向性や効率化の可能性が探求されます。
実施期間
実証実験は2026年9月1日から2026年11月30日までの期間で行われる予定です。
福岡市の期待
福岡市経済観光文化局の総務・中小企業部経営支援課の坂本明久課長は、申請件数の増加に伴う審査業務の負担軽減が課題であると述べています。AI-OCRを使用することで申請数の増加に適応し、職員が他の価値ある業務に専念できる環境の構築を期待しています。
グラファーについて
株式会社グラファーは、企業や行政機関向けに業務のデジタル変革を支援するスタートアップであり、「We Remove Steps.」をミッションに掲げています。AIを活用した「Graffer AI Solution」や、デジタル行政プラットフォームを提供し、全国の250以上の自治体で導入されています。
この実証事業を通じて、AI技術の活用が進むことで、多くの企業や自治体が業務の効率化を実現できる可能性を秘めています。今後の成果に注目が集まります。