UR社が発表した新型協働ロボット「UR15」
2025年5月12日、ミシガン州デトロイトにて、協働ロボットの先駆者であるユニバーサルロボット(UR)が新型の協働ロボット「UR15」を発表しました。この時期に開催された展示会「Automate」での発表は、業界における大きな話題となっています。UR15は、今後の生産現場に革命をもたらす存在として期待されています。
UR15の注目すべき機能
UR15は、最大TCP速度5 m/sという驚異的な速度を誇ります。これは、UR史上最速の協働ロボットであり、比類のないモーションパフォーマンスを実現しています。このロボットの特筆すべき点は、サイクルタイムの短縮と生産性の向上をもたらすことができることです。例えば、ピックアンドプレース用途では、他のURロボットに比べて最大30%のサイクルタイム短縮が期待できます。
軽量でコンパクトな設計はそのままであり、狭いスペースでの柔軟な導入が可能です。この高い汎用性により、さまざまな業界におけるニーズに応えています。最高製品責任者のテロ・トロネンは、「UR15の登場により、これまで自動化が難しかった作業にも対応できるようになります」と述べています。
OptiMove™テクノロジーの導入
UR15には、UR独自のOptiMove™テクノロジーが搭載されており、動作軌道の最適化を行うことで、スムーズで正確な動きを実現します。この機能により、高速かつ高負荷のアプリケーションにおいても、一貫性のある動作が可能となります。
AI対応の次世代プラットフォーム
UR15は、最新のソフトウェアプラットフォーム「PolyScope 5」と「PolyScope X」に対応しています。AI技術の統合によって、次世代の使いやすさが実現されています。特に、AIアプリケーション開発を加速する「UR AI Accelerator」を利用することで、高度な自動化ソリューションを構築することが可能です。今週の展示会では、3D Infotech社がUR15とAI Acceleratorを組み合わせた実際のデモを行い、来場者にその性能を示しました。
多様な業界に対応する設計
UR15の可搬重量は15kgですが、特定のアプリケーションで最大17.5kgの対応も可能です。自動車業界や金属・機械加工業、エレクトロニクス業界など、様々な業界での利用が期待されています。自動車業界では、限られたスペースでの高性能な作業を実現し、金属・機械加工業界では過酷な環境下でも運用ができます。エレクトロニクス分野では、クリーンルームでの作業にも適しており、移動型協働ロボットシステムの構築に最適です。
URシリーズの新たなラインナップ
UR15は、UR20やUR30に続くURシリーズの最新モデルとして登場します。また、標準モデルであるe-Seriesもアップデートされ、UR5eは可搬重量を増加させて「UR7e」としてリブランドされます。これにより、より高い性能を持つ新たなラインナップが揃いました。
UR15は現在受注を受け付けており、出荷は6月から開始される予定です。自動化の未来において、UR15がどのように役立つのか、非常に楽しみです。各業界に柔軟に対応できるこの新しい協働ロボットは、生産性向上やコスト削減を実現したい企業にとって、まさに必需品となるでしょう。