ハス胚芽エキス研究:若返り効果を「Nature」で確認
国際的な科学雑誌「Nature」に、丸善製薬株式会社と高知大学との共同研究が掲載され、注目を浴びています。この研究は、老化に関する新たな知見を提供し、特に「ハス胚芽エキス」の若返り効果が明らかになったことが大きな話題となっています。
研究の背景と概要
丸善製薬は、植物由来の天然物を使用し、医薬品や化粧品、食品など多様な原料を製造する企業です。最近、同社は高知大学総合科学系の難波卓司准教授と共同で、皮膚の老化に対する新しいアプローチを模索しました。
本研究では、皮膚線維芽細胞を意図的に老化させ、その結果、ミトコンドリアの機能に重要な変化が見られることを発見しました。この結果は、老化マーカーの一部がミトコンドリアの機能低下に先行して変化することを示しており、老化研究の新たな展開となるでしょう。
さらに、老化した皮膚線維芽細胞を「若返らせる」可能性のある成分として「ハス胚芽エキス」が特定されました。このエキスには、老化によって失われた細胞の機能を回復させる力があることが証明されています。
「Nature」での特集
これらの研究成果は、2025年3月13日号の「Nature」に掲載された記事広告「Exploring plant extracts for improved skincare」として紹介されました。この特集では、日本における老化研究の最新の成果や技術、課題についても取り上げられています。
「Nature」は、1869年に創刊された国際的な総合科学雑誌で、査読付きの研究論文を発表し続けています。本研究が同誌に掲載されることは、丸善製薬や共同研究を行った交大の業績にとって、非常に重要な意味を持っています。
国際会議での発表
この研究内容は、国際化粧品技術者会(IFSCC)2022 ロンドン大会で技術発表も行われました。ハス胚芽エキスの効果に関する発表は多くの関心を集め、化粧品業界の専門家たちにも注目されています。
また、米国科学誌「Aging」においても、同様の研究成果が発表され、老化研究の進展に寄与しています。論文では、ハス胚芽エキスがオートファジーを誘導し、老化した細胞の機能を回復させることが記されています。これは、老化に伴う多くの問題への新たな対策となるでしょう。
今後の展望
丸善製薬は、この研究の成果を活かし、2025年5月に開催される「第12回化粧品産業技術展」において、ハス胚芽エキスを利用した新しい化粧品原料の展示を計画しています。これにより、より多くの人々に老化への対処法としてのハス胚芽エキスの重要性が浸透していくことが期待されます。
丸善製薬株式会社は、医薬品や化粧品の分野において、新たな科学的知見を基にした商品を提案し続け、企業の成長と市場での競争力を高めています。これからも、ハス胚芽エキスのような天然成分を使用した研究が進むことに、期待が寄せられています。
このように、丸善製薬の共同研究は、老化に対する理解を深めるだけでなく、実用的な製品開発へとつながる重要な一歩となることでしょう。今後の研究にも大いに期待が寄せられています。