訪日外国人の購買傾向を探る!
訪日外国人による消費が日本経済に与える影響は大きい。特に、博報堂が実施した「5カ国インバウンド顧客購買意識調査」では、訪日外国人の購買行動に関する新たな知見が得られた。この調査では、特に中国、韓国、アメリカ、タイ、インドの5カ国からの訪問客の購買意識に焦点を当てている。
調査結果によれば、訪日中の買い物で人気が高かった商品はお菓子、化粧品・美容用品、そして食品だった。特に、お菓子は全体の49.8%が購入しており、このことは訪日外国人にとって、日本特有のスイーツが魅力的な選択肢であることを物語っている。この傾向は国によって異なり、中国ではアイドルやキャラクター関連のグッズ、韓国では特にお菓子や化粧品が高い購入率を示している。
各国ごとの購買決定におけるタイミングの違いも注目すべきポイントだ。たとえば、韓国ではブランド指名商品として化粧品や薬をあらかじめ決定して日本を訪れる一方、食品やお菓子は旅中に見つけて購入することが多い「出会い型商品」として位置付けられている。このようにマルチな視点からのマーケティング戦略が求められる。
次回来日時に購入したい商品には、ジュエリーやアクセサリー、伝統工芸品などが挙げられており、これらのカテゴリーから新たなビジネスチャンスが見込まれる。特に、訪日経験がある外国人は日本の製品に高い期待を寄せており、帰国後も継続して購入したいと考えている商品には、お菓子、化粧品、食品がアピールしている。これは、どの国の訪問客によっても異なる傾向があり、特に化粧品の信頼性やお菓子のコストパフォーマンスが高く評価されている。
調査はInternetリサーチを基に行われ、各国から258名の訪問客が参加した。調査結果は、企業がインバウンド市場をどう攻略するかの手掛かりを提供するものであり、今後のビジネス戦略において重要なデータとなる。
また、博報堂はこの調査結果を基にしたウェビナーも開催予定である。訪日外国人の購買意識を深く理解し、隠れたビジネスチャンスを探る機会として、多くの企業にとって有益な内容が期待されている。
このような訪日外国人の購買行動データを活用し、日本のビジネスはさらなる成長を実現する可能性を秘めている。特にインバウンド消費をどう国内活性化につなげるかが鍵となるだろう。日本の品質や魅力を、次回来日する外国人へどう伝えるかが企業の課題である。
自国に帰ってからも購買機会を見込み、訪日外国人のニーズに応じた製品戦略を展開することが、未来のインバウンドビジネスを支える重要なポイントとなりそうだ。